Columnコラム

昭島で手首中央の痛み・握力低下にお悩みの方へ|キーンベック病の症状・原因・検査・治療|高月整形外科病院 手外科

昭島で手首中央の痛み・握力低下にお悩みの方へ

昭島周辺で、手首の中央が慢性的に痛む、物を握ると痛みが強くなる、手首を曲げ伸ばししにくい、以前より握力が落ちたと感じることはありませんか。

手首には8個の小さな手根骨があり、そのほぼ中央に位置する骨が月状骨(げつじょうこつ)です。月状骨は周囲の多くを関節軟骨に囲まれており、手や指から加わる力を受け止めながら、手首の動きを支えています。

この月状骨への血流が低下し、骨が弱くなって徐々につぶれる病気をキーンベック病といいます。キーンベック病では、手を使った後の手首の痛みや腫れ、握力低下、手首の動かしにくさなどが現れます。明らかな転倒や外傷がなく、原因のはっきりしない手首痛として始まることもあります。

このような手首・手・指の症状はありませんか

・手首の中央から手の甲側が慢性的に痛む
・手首中央を押すと限られた場所に痛みがある
・物を握ると手首の痛みが強くなる
・ペットボトルや工具を長く握れない
・机や床へ手をつくと痛む
・手首を曲げる、反らす動作がしにくい
・以前より手や指に力を入れにくくなった
・握力が低下し、物を落としやすくなった
・手や指を動かすと手首中央へ痛みが響く
・手首に軽い腫れが続いている
・明らかなけががないのに痛みが続いている
・捻挫や使いすぎだと思っていた症状が改善しない

キーンベック病は、月状骨の血流障害によって骨の内部が傷み、進行すると月状骨が扁平につぶれる病気です。初期には外見上の変形が目立たず、一般的な手首の使いすぎや捻挫と区別しにくい場合があります。


手首中央の症状は「痛む位置・悪化する動作・経過」で整理します

手首の痛みは、親指側、小指側、中央部のどこに現れるかによって、考えられる原因が異なります。キーンベック病では、手首中央から手の甲側に痛みが現れ、月状骨周囲を押したときに限局した圧痛がみられることがあります。

また、物を握る、重い物を持つ、机や床へ手をつくといった動作では、手や指からの力が手根骨へ伝わります。月状骨は手首中央で荷重を受けるため、骨の内部が弱くなっていると、これらの動作によって痛みが強くなることがあります。

病気が進行して月状骨が変形すると、周囲の手根骨の位置関係にも影響し、手首の可動域や握力が低下する可能性があります。日本整形外科学会でも、キーンベック病の症状として、手を使った後の痛み・腫れ、握力低下、手首の動きの悪化を挙げています。

痛む場所・負荷による変化・機能低下を確認します

手首中央から手の甲側が痛む
月状骨周囲の異常が関係している可能性があります。反対に、親指側へ痛みが偏る場合は舟状骨、小指側が痛む場合はTFCCなど、別の組織も確認する必要があります。

握ると痛みが強くなる
物を握る動作では、指を曲げる筋肉だけでなく、手首を安定させる働きも必要です。手首中央に痛みがあると、十分に力を入れられず、握力低下として感じることがあります。

手首を曲げ伸ばししにくい
痛みを避けて手首を動かさない状態が続くことに加え、月状骨や周囲の手根骨に変化が生じると、関節の動く範囲が狭くなる場合があります。

明らかな外傷がないのに痛みが続く
キーンベック病の原因は一つに特定されておらず、明確な外傷や手作業歴がない方にも発症することがあります。月状骨の血流、骨の形、気づきにくい小さな骨折など、複数の要因が関係すると考えられています。

転倒後から痛みが続いている
キーンベック病だけでなく、舟状骨骨折や舟状月状骨間靱帯損傷など、外傷による骨・靱帯損傷との鑑別が必要です。

手首中央の痛みでは、現在の痛みだけでなく、いつから続いているか、どの動作で悪化するか、握力や可動域が以前より低下しているかを整理することが大切です。


この記事で解説すること

キーンベック病は、病気の進行段階によって、月状骨内部の血流変化が中心となる時期から、骨がつぶれて手根骨の並びや関節へ影響する時期まで、状態が異なります。

初期にはレントゲン検査で明確な変化が確認できない場合があり、症状や診察所見に応じてMRI検査を行い、月状骨内部の変化を詳しく評価することがあります。進行した状態では、レントゲンやCT検査などを用いて、月状骨の変形や周囲の手根骨、関節面の状態を確認します。

治療は、痛みの程度だけでなく、月状骨がどの程度傷んでいるか、手首の可動域や握力がどの程度低下しているか、仕事や日常生活でどのように手を使うかを踏まえて検討します。

高月整形外科病院 手外科の視点から解説する主な内容

・月状骨の位置と手首における役割
キーンベック病が起こる原因とメカニズム
・月状骨の血流低下によって骨が弱くなる仕組み
・手首中央の痛みや腫れが生じる理由
・握る動作で痛みが悪化する原因
・手首の可動域と握力が低下する仕組み
・キーンベック病と鑑別する主な手首の疾患
・月状骨周囲の圧痛、可動域、握力の評価
・レントゲン・MRI・CT検査の役割
・病気の進行段階を確認する理由
・安静や装具固定などによる一般的な保存治療
・骨切り術や骨移植などが検討される状態
・治療後のリハビリテーション
・受診前に確認したいセルフチェック
・早めに手外科へ相談したい症状

高月整形外科病院 手外科では、手首中央の痛みや握力低下について、月状骨だけでなく、周囲の骨・関節・靱帯・腱の状態と、手や指の機能への影響を含めて評価します。

本記事では、昭島で手首中央の慢性的な痛み、握ると悪化する痛み、手首の動かしにくさ、握力低下にお悩みの方へ向けて、キーンベック病を中心に、症状の特徴、原因とメカニズム、検査、一般的な治療方法、受診の目安について、高月整形外科病院 手外科の視点から詳しく解説します。


手首中央の鈍い痛みや圧痛が続く場合

キーンベック病でみられやすい症状の一つが、手首中央から手の甲側にかけて続く痛みです。はじめは手を使った後に違和感がある程度でも、症状が進むと、日常的な動作でも痛みを感じるようになることがあります。

手首の中央には、8個の手根骨の一つである月状骨(げつじょうこつ)があります。月状骨は手や指に加わる力を受け止める位置にあるため、この骨に血流障害や変形が生じると、手首中央に負担が集中しやすくなります。

痛みの感じ方は、鋭い痛みだけではありません。手を使った後に重だるくなる、手首の奥に鈍い痛みが残る、手の甲側中央を押すと限られた場所に痛みがあるといった症状として現れることもあります。キーンベック病では、手を使った後の手首痛や腫れに加え、握力低下や手首の動きの悪化がみられます。

手首中央の痛みと押したときの反応を確認します

手首中央から手の甲側に鈍い痛みがある
月状骨周囲の異常が関係している可能性があります。手首全体が漠然と痛む場合でも、指で押して確認すると、手の甲側中央に強い圧痛がみられることがあります。

月状骨付近を押すと痛む
特定の位置を押したときに痛みが再現されることを圧痛といいます。圧痛の位置は、月状骨、舟状骨、靱帯など、どの組織に問題があるかを考える手がかりになります。

手を使った後に痛みや腫れが強くなる
仕事、家事、スポーツなどで手首を繰り返し使うと、月状骨へ加わる負担が増え、症状が目立つことがあります。

机や床へ手をつくと痛む
手のひらをついて体重を支える動作では、手根骨を介して月状骨にも圧力が加わります。手首中央の骨が弱くなっている場合、この荷重によって痛みが強くなることがあります。

手首の親指側、小指側、中央部では考えられる原因が異なります。受診前には、手首全体が痛むのか、手の甲側中央へ痛みが集中しているのかを整理しておくことが大切です。


握る・持つ動作で痛みが増し、握力が低下する場合

物を握ったときに手首中央の痛みが強くなる、以前より力が入りにくい、軽い物でも長く持てないといった症状も、キーンベック病でみられることがあります。

物を握る動作では、手や指を曲げる筋肉だけでなく、手首を安定した位置に保つ働きが必要です。手首中央に痛みや構造上の変化があると、手や指の力を十分に物へ伝えられません。

また、痛みが出ることを避けるため、身体が無意識に力を抑えることもあります。そのため、手指自体を動かせていても、握力検査では反対側より数値が低くなる場合があります。月状骨の変化が進むと、手首の可動域も狭くなり、握る・持つ・支えるといった日常動作への影響が大きくなる可能性があります。

握力と手首の動きを左右で比較します

ペットボトルや工具を握ると痛む
握る力が手や指から手根骨へ伝わり、月状骨にかかる圧力が増えることで、手首中央の痛みが強くなることがあります。

物を持ち続けられない
持ち始めは問題がなくても、時間がたつと手首が痛み、物を持ち替えたくなる場合があります。痛みだけでなく、手首を安定させる力が低下している可能性も考えます。

以前より握力が落ちた
瓶のふたを開けにくい、買い物袋を持ちにくい、タオルを絞れないなど、以前はできていた動作が難しくなっている場合は、手首の機能低下が疑われます。

物を落としやすくなった
痛みによって急に力が抜ける、十分に握り込めないといった状態が関係している可能性があります。

手首の曲げ伸ばしがしにくい
手首を手のひら側へ曲げる、手の甲側へ反らす動きが反対側より狭くなっていないかを確認します。

手をつく動作がつらい
椅子から立ち上がる、床から身体を起こす、腕立て伏せをするといった動作では、手首へ体重が加わります。月状骨周囲に問題がある場合は、痛みが強くなりやすい動作です。

握力の低下は、年齢や疲労だけで起こるとは限りません。手首中央の痛みと握力低下が同時に進んでいる場合は、月状骨や周囲の手根骨、靱帯の状態を確認する必要があります。


「使いすぎ」「捻挫」と決めつけず症状の経過を確認します

手首中央の痛みがあっても、明らかな転倒や衝突がなければ、「仕事や家事で使いすぎただけ」と考えることがあります。また、過去に軽く手をついた経験がある場合は、「捻挫が長引いている」と自己判断することもあります。

しかし、キーンベック病は原因が一つに特定されておらず、明確な外傷歴や手作業歴がない方にもみられます。初期にはレントゲンで目立った変化が現れないこともあるため、原因の分からない手首痛が続く場合は、症状と診察所見に応じてMRIなどによる評価が重要になります。

また、手首中央の痛みには、舟状月状骨間靱帯損傷・舟状骨骨折・手関節背側ガングリオンなど、キーンベック病以外の原因もあります。外傷の有無だけで判断せず、痛む場所、悪化する動作、症状が続いている期間を整理することが、原因の切り分けにつながります。

受診前に整理しておきたい3つのポイント

痛む場所
手首の中央、親指側、小指側のどこが痛むかを確認します。手のひら側か手の甲側か、押したときに特に痛む場所があるかも整理します。

症状が悪化する動作
物を握る、重い物を持つ、手をつく、手首を曲げる・反らすなど、どの動作で痛みが再現されるかを確認します。

症状が続いている期間
いつ頃から痛みがあるのか、徐々に悪化しているのか、休むと軽くなるものの繰り返しているのかを整理します。

さらに、次のような変化がある場合は、早めに状態を確認することが大切です。

・原因の分からない手首中央の痛みが続いている
・手を使うたびに痛みや腫れを繰り返す
・以前より握力が明らかに低下している
・手首の動く範囲が徐々に狭くなっている
・仕事、家事、スポーツへ支障が出ている
・捻挫と思っていた痛みが改善しない
・安静にしていても痛みを感じるようになった

高月整形外科病院 手外科では、手首中央の痛みについて、月状骨周囲の圧痛、手首の可動域、左右の握力差、外傷歴や負担動作を確認します。必要に応じてレントゲン・MRI・CTなどを用い、月状骨の状態や周囲の骨・関節・靱帯への影響を評価します。

昭島周辺で、手首中央の痛み、握ると悪化する症状、握力低下、手首の動かしにくさが続いている方は、「使いすぎ」や「捻挫」と決めつけず、高月整形外科病院 手外科で原因を確認することが大切です。


痛みの「位置」から原因となる組織を考えます

手首の痛みは、中央・親指側・小指側のどこに現れるかによって、考えられる病気や損傷が異なります。同じ「手首が痛い」という症状でも、月状骨、舟状骨、腱、靱帯、軟骨組織など、原因となる部位はさまざまです。

キーンベック病では、手首の中央から手の甲側に痛みが現れやすく、月状骨周囲を押したときに、限られた場所へ強い痛みが生じることがあります。手を使った後の痛みや腫れ、握力低下、手首の動かしにくさも特徴的な症状です。

手の甲側・親指側・小指側のどこが痛むか確認します

手の甲側・中央が痛む
手首のほぼ中央にある月状骨周囲の異常が関係している可能性があります。手を使った後に痛みが強くなる、手の甲側中央を押すと痛む、握力が落ちてきた場合は、キーンベック病を考える手がかりになります。

親指側が痛む
親指を動かしたときに手首の親指側が強く痛む場合は、ドケルバン病などの腱鞘炎を考えます。また、転倒して手をついた後から親指側の痛みが続く場合は、舟状骨骨折なども確認する必要があります。

小指側が痛む
手首を小指側へ曲げる、ドアノブを回す、タオルを絞るといった動作で痛む場合は、TFCC損傷など、小指側の靱帯・軟骨組織の障害が考えられます。

手首の小指側の痛みやTFCC損傷について詳しく知りたい方は、八王子エリアで手首の小指側の痛みにお悩みの方へ|TFCC損傷の原因・症状・治療を高月整形外科病院 形成外科が解説もあわせてご覧ください。

押すと一か所だけ強く痛む
限られた場所に現れる圧痛は、原因となる骨や靱帯を推定する重要な手がかりです。ただし、痛みを確認するために何度も強く押すことは避け、診察時に痛む場所を伝えてください。


痛みが悪化する「動作」から手首への負荷を確認します

手首には、握る、持つ、つまむといった手や指の力を支え、前腕へ伝える役割があります。そのため、手首中央の月状骨や周囲の関節に問題があると、指自体は動かせても、力を入れたときに手首へ痛みが響くことがあります。

特に、握る・手をつく・手首を曲げ伸ばしする動作は、手首へ加わる負荷が大きく、キーンベック病などの症状を確認する手がかりになります。

握る・手をつく・曲げ伸ばしする動作を左右で比較します

物を握る、持つと痛む
ペットボトルや工具を強く握ると、手や指からの力が手根骨を介して手首へ伝わります。月状骨が弱くなっている場合は、荷重が加わることで手首中央の痛みが強くなることがあります。

重い物を持ち続けられない
持ち始めは問題がなくても、時間がたつと痛みや疲れが強くなり、物を持ち替えたくなる場合があります。痛みによって無意識に力を抑えることも、握力低下の一因です。

床や机へ手をつくと痛む
手のひらで身体を支えると、手首へ体重が加わります。椅子から立ち上がる、床から身体を起こすといった動作で手首中央が痛む場合は、月状骨を含む手根骨の状態を確認します。

手首を反らすと痛む
手首を手の甲側へ反らすと、手根骨同士の位置関係や関節内の圧力が変化します。手をつく動作とあわせて痛みが出る場合は、骨、靱帯、ガングリオンなど複数の原因を考えます。

手首を深く曲げると痛む
手首を手のひら側へ曲げる動作で痛みや硬さがある場合は、反対側と比べて可動域が狭くなっていないかを確認します。

どの動作で痛むかを伝える際は、「握ると痛い」だけでなく、どの程度の重さで、動作の開始時と継続後のどちらで痛むかまで整理すると、診断の参考になります。


症状の「経過」と握力の変化を確認します

手首中央の痛みでは、いつ、どのように症状が始まり、どの程度の期間続いているかも重要です。

転倒後に急に始まった痛みでは、骨折や靱帯損傷を考えます。一方、明らかなけががなく徐々に痛みが強くなった場合や、数週間から数か月にわたって握力や可動域が低下している場合は、キーンベック病を含む慢性的な手関節疾患を確認する必要があります。

キーンベック病は、明確な外傷歴がない方にもみられ、初期にはレントゲン上の変化が明らかでない場合があります。症状や診察所見に応じて、MRI検査などによる月状骨内部の評価が必要になります。

診察時に伝えたい症状の始まりと変化

発症のきっかけ
転倒や衝突の直後から痛むのか、仕事やスポーツで手首を使ううちに徐々に痛くなったのかを整理します。

痛みが続いている期間
数日、数週間、数か月のどの程度続いているかを確認します。一時的に軽くなっても、手を使うたびに繰り返す場合は、その経過も伝えてください。

握力の変化
以前よりペットボトルのふたを開けにくい、工具を保持できない、買い物袋を持ち続けられないなど、具体的な動作で比較します。

手首の可動域の変化
反対側と比べて手首を曲げにくい、反らしにくい、手をつく動作が難しくなっていないかを確認します。

痛みや機能低下が進んでいるか
痛む回数が増えた、安静時にも痛むようになった、物を落としやすくなった場合は、早めの評価を検討します。

高月整形外科病院 手外科では、痛みの位置、悪化する動作、症状の持続期間に加え、月状骨周囲の圧痛、手首の可動域、左右の握力差などを確認します。必要に応じてレントゲン、MRI、CTなどを用い、キーンベック病、骨折、靱帯損傷などを鑑別します。高月整形外科病院には、手の骨・関節・靱帯・腱・神経に関する診療を行う手外科があります。

昭島周辺で、原因のはっきりしない手首中央の痛みが続く、握ると痛む、以前より握力が落ちた、手首の動きが徐々に悪くなっている方は、「使いすぎ」や「捻挫」と自己判断せず、高月整形外科病院 手外科へご相談ください。


月状骨は手首のほぼ中央に位置する手根骨です

手首には、手根骨(しゅこんこつ)と呼ばれる8個の小さな骨があります。これらの骨は単独で動くのではなく、周囲の靱帯によって連結され、互いにわずかに回転・滑走しながら手首の複雑な動きを支えています。日本手外科学会でも、手関節は8個の手根骨から構成され、広い可動域と握力が集中する重要な部位であると説明されています。

手根骨は、前腕に近い列と指に近い列の2列に分かれています。

・前腕側の列:舟状骨・月状骨・三角骨・豆状骨
・指側の列:大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鈎骨

このうち、月状骨(げつじょうこつ)は前腕側の列の中央付近にあり、親指側の舟状骨と小指側の三角骨の間に位置しています。前腕側では橈骨と接し、指側では有頭骨などの手根骨と関節をつくっています。

月状骨は手首の中央にあるため、手や指に加わった力を受け止め、前腕へ伝えるうえで重要な役割を担います。一方で、周囲の多くを関節軟骨に囲まれ、血行が乏しいという特徴があります。血流が低下すると骨が傷みやすく、進行すると月状骨がつぶれて扁平化するキーンベック病につながります。

月状骨と周囲の手根骨の位置関係

舟状骨
月状骨の親指側に位置します。手首へ加わる力を支え、月状骨とは靱帯によって連結されています。

月状骨
手首のほぼ中央に位置します。橈骨、舟状骨、三角骨、有頭骨などと接し、手関節中央の荷重と動きを支えます。

三角骨
月状骨の小指側に位置します。月状骨と連動しながら、小指側の手首の安定性に関わります。

有頭骨
月状骨の指側に位置する比較的大きな手根骨です。手首を曲げ伸ばしするときに、月状骨と連動して動きます。

これらの骨の位置関係は、靱帯によって細かく保たれています。月状骨の変形や靱帯損傷によって骨同士の配列が乱れると、手首の痛み、動かしにくさ、握力低下につながることがあります。


月状骨は手や指に加わる力を前腕へ伝えます

物を握る、重い荷物を持つ、机や床へ手をつくといった動作では、手や指に加わった力が手根骨を通り、前腕の橈骨や尺骨へ伝わります。

月状骨はこの力の通り道となる手首中央に位置しており、周囲の手根骨とともに荷重を分散させる役割を担っています。手首が安定していることで、指を曲げる筋肉や腱が効率よく働き、握る、つまむ、持ち上げるといった動作を行えます。

一方、キーンベック病によって月状骨の血流が低下し、骨の強度が失われると、日常的な荷重でも月状骨に負担がかかりやすくなります。進行して月状骨が圧潰すると、周囲の橈骨や手根骨から圧迫を受け、月状骨の変形や縮小が進むことがあります。さらに、周囲の関節にも変化が及ぶと、手首全体の動きや安定性に影響します。

月状骨に大きな圧力が加わりやすい動作

物を強く握る
ペットボトル、工具、ラケットなどを強く握ると、指から手首へ力が伝わり、月状骨を含む手根骨への荷重が増えます。

重い物を持つ
買い物袋や荷物を持つ動作では、手首を安定させながら指の力を維持する必要があります。月状骨に問題があると、持ち続けるうちに手首中央の痛みが強くなることがあります。

手をついて身体を支える
床から立ち上がる、椅子の肘掛けを押す、机へ手をつくといった動作では、体重の一部が手首へ加わります。

手首を深く反らす
手首を手の甲側へ反らすと、手根骨同士の位置関係や関節内の圧力が変化します。手をつく動作と組み合わさることで、手首中央の痛みが出やすくなる場合があります。

握った状態で手首を動かす
工具を使う、雑巾を絞る、ドアノブを回すといった動作では、握る力と手首の動きが同時に加わります。

手首中央の痛みがある場合は、単に「手首を使うと痛む」と捉えるのではなく、握る・持つ・支える・反らすのどの動作で症状が強くなるかを確認することが大切です。


月状骨は周囲の骨と連動して手首の動きを支えます

手首の曲げ伸ばしは、一つの骨だけが大きく動くことで行われるのではありません。8個の手根骨が互いに連動し、わずかに回転・滑走することで、滑らかで複雑な可動域が生まれます。

月状骨も、舟状骨、三角骨、有頭骨などと位置関係を変えながら動きます。正常な状態では、これらの骨が靱帯によって適切な位置に保たれ、手首の曲げ伸ばしや左右の動きを安定して行えます。手根骨をつなぐ小さな靱帯が損傷しただけでも、骨同士の配列が崩れ、手根不安定症につながる場合があります。

キーンベック病が進行し、月状骨がつぶれて高さを失うと、手根骨全体の配列にも変化が生じます。その結果、手首を曲げる・反らす動作が制限される、握ると痛む、以前より握力が低下するといった症状が現れることがあります。日本整形外科学会では、キーンベック病の主な症状として、手を使った後の痛みと腫れ、握力低下、手首の動きの悪化を挙げています。

高月整形外科病院 手外科で確認するポイント

・手首中央と手の甲側のどこに痛みがあるか
・月状骨周囲を押したときに圧痛があるか
・握る、持つ、手をつく動作で痛みが強くなるか
・手首の曲げ伸ばしに左右差があるか
・以前より握力が低下していないか
・外傷や手首へ繰り返す負担がなかったか
・月状骨や周囲の手根骨の配列に変化がないか
・レントゲンやMRIによる詳しい評価が必要か

高月整形外科病院 手外科では、月状骨だけを個別に見るのではなく、周囲の手根骨や靱帯との位置関係、手首の可動域、握力、日常動作への影響を総合的に確認します。

昭島周辺で、手首中央の痛みが続く、握ると痛みが強くなる、手首を反らしにくい、握力が落ちてきたと感じる方は、使いすぎと自己判断せず、高月整形外科病院 手外科へご相談ください。


キーンベック病は月状骨の血流障害から始まります

キーンベック病は、手首中央にある月状骨(げつじょうこつ)への血流が低下し、骨の内部が徐々に傷んでいく病気です。

月状骨は、手首にある8個の手根骨のほぼ中央に位置し、前腕の橈骨や周囲の手根骨と接しながら、手や指に加わる力を受け止めています。一方で、周囲の多くが関節軟骨に覆われており、血行が乏しいため、血流障害の影響を受けやすい骨の一つです。

キーンベック病の発症原因は、現在も一つに特定されていません。月状骨の血管構造、手首へ繰り返し加わる負荷、気づかないほど小さな骨折、橈骨と尺骨の長さの関係など、複数の要因が関係すると考えられています。

そのため、仕事やスポーツで手首を頻繁に使う方だけでなく、明らかな外傷歴や強い負担動作がない方にも発症することがあります。

血流低下から無腐性壊死へ進む仕組み

STEP 1:月状骨への血流が低下する

月状骨へ流れ込む血液が減少すると、骨の細胞へ必要な酸素や栄養が届きにくくなります。

この段階では、外から見て分かる変形がなく、症状も手を使った後の鈍い痛みや軽い腫れにとどまることがあります。

・手首中央が重だるく痛む
・手を使った後に症状が強くなる
・手の甲側中央を押すと痛む
・握る動作で手首へ痛みが響く

STEP 2:骨組織が傷み、無腐性壊死が生じる

血流障害が続くと、月状骨内部の骨組織が傷み、無腐性壊死(むふせいえし)に至ることがあります。

無腐性壊死とは、細菌感染による壊死ではなく、血液が十分に届かなくなることで骨組織が傷む状態です。骨の修復力と強度が低下するため、それまで耐えられていた日常的な負荷にも耐えにくくなります。

・強く握ると痛む
・重い物を持ち続けられない
・床や机へ手をつくと痛む
・手首を深く反らすと症状が強くなる

血流障害から月状骨の強度低下へ進むと、手首中央の慢性的な痛みや握力低下が徐々に目立つようになります。


月状骨の圧潰が手根骨の配列と手首の動きに影響します

血流障害によって弱くなった月状骨には、物を握る、荷物を持つ、手をついて身体を支えるなど、日常生活のたびに繰り返し圧力が加わります。

骨の強度が十分に保たれていれば、これらの力を受け止めることができます。しかし、無腐性壊死によって月状骨が弱くなると、荷重に耐えられず、徐々に高さを失って扁平化することがあります。このように骨が押しつぶされる変化を圧潰(あっかい)といいます。

日本整形外科学会では、キーンベック病を月状骨がつぶれて扁平化する病気と説明しています。

月状骨の形が崩れると手首全体の配列が変化します

STEP 3:月状骨がつぶれて扁平化する

月状骨が圧潰すると、骨の高さが低くなり、形も不均一になります。

月状骨は、舟状骨、三角骨、有頭骨、橈骨などと接しているため、月状骨の形が変わると、その影響は月状骨だけにとどまりません。

・手首の曲げ伸ばしがしにくくなる
・手をついたときの痛みが強くなる
・握力が低下する
・手首中央の腫れや圧痛が続く
・物をつかむ、支える動作が難しくなる

STEP 4:周囲の手根骨の並びが崩れる

月状骨が高さを失うと、周囲の手根骨が本来の位置関係を保ちにくくなります。

手首の動きは、8個の手根骨が互いに連動して滑走・回転することで成り立っています。その中心に近い月状骨が変形すると、手根骨全体の動きや安定性にも影響し、手首の可動域が狭くなることがあります。

STEP 5:周囲の関節に関節症変化が生じる

月状骨や手根骨の配列が崩れると、関節の一部へ負担が偏ります。その状態が続くと、関節軟骨が傷み、手首全体の変形性関節症へ進行する場合があります。

進行した段階では、次のような症状が現れることがあります。

・安静にしていても手首が痛む
・手首を十分に曲げたり反らしたりできない
・以前より著しく握力が低下する
・物を落としやすくなる
・仕事や家事などの日常動作に支障が出る

キーンベック病では、血流障害、骨の強度低下、月状骨の圧潰、手根骨配列の変化、関節症という流れで進行することがあります。日本手外科学会の解説でも、進行すると月状骨の縮小・変形が強くなり、周囲の関節に関節症変化が現れるとされています。


初期の病変はMRI検査で詳しく確認します

キーンベック病は、病気の進行段階によって画像に現れる変化が異なります。

進行した状態では、レントゲン検査で月状骨の硬化、扁平化、分裂、手根骨配列の乱れなどを確認できることがあります。一方、初期では月状骨の外形が保たれており、レントゲンだけでは変化を明確に把握しにくい場合があります。

このような初期の血流障害や骨髄内部の変化を調べるために用いられるのがMRI検査です。日本手外科学会も、MRI検査はキーンベック病の早期診断に有用であるとしています。

高月整形外科病院 手外科で確認する主なポイント

高月整形外科病院 手外科では、画像だけでなく、痛みの位置、症状の経過、握力や手首の動きなどを総合的に評価します。

・手首中央のどの位置が痛むか
・手の甲側中央に限局した圧痛があるか
・痛みがいつから続いているか
・物を握る、持つ、手をつく動作で悪化するか
・明らかな外傷や繰り返す負担があったか
・手首の曲げ伸ばしに左右差があるか
・握力が以前より低下しているか
・レントゲンで月状骨の硬化や変形があるか
・MRIで月状骨内部の血流障害や骨髄変化が疑われるか
・CTで圧潰や骨の細かな形態を確認する必要があるか
・病気がどの進行段階にあるか
・固定などの保存治療が適しているか
・骨切り術や骨移植などを検討する状態か

レントゲン検査では月状骨の形や手根骨の配列を確認し、MRI検査では月状骨内部の状態をより詳しく評価します。症状や進行度に応じて、CT検査を追加し、圧潰や骨の形を立体的に確認する場合もあります。

昭島周辺で、原因のはっきりしない手首中央の痛みが続く、握ると痛む、以前より握力が低下した、手首の動く範囲が狭くなったと感じる方は、使いすぎと自己判断せず、高月整形外科病院 手外科で状態を確認することが大切です。

早い段階で月状骨内部の変化と病気の進行度を確認することが、現在の状態に合った治療方法を選び、手首や手指の機能を保つことにつながります。


手首中央の圧痛・慢性痛・腫れは月状骨周囲の異常を示すことがあります

キーンベック病では、手首中央から手の甲側にかけて、鈍い痛みや押したときの痛みが現れることがあります。手首全体が漠然と痛む場合もありますが、診察で詳しく確認すると、月状骨周囲に限局した圧痛がみられることがあります。

初期には、仕事や家事、スポーツなどで手を使った後だけ痛むことがあります。そのため、「少し使いすぎただけ」「休めば治るだろう」と考え、受診せずに様子を見る方も少なくありません。しかし、症状が進むと痛みの続く時間が長くなり、軽い荷物を持つ、机へ手をつくといった日常的な動作でも症状が現れることがあります。

キーンベック病では、手を使った後の手首痛や腫れ、握力低下、手首の運動制限、手の甲側中央の圧痛などがみられます。症状の程度は病気の進行段階によって異なり、外見上の変形が目立たない時期もあります。

圧痛・慢性痛・荷重痛・腫脹の現れ方を確認します

手の甲側中央を押すと強く痛む
月状骨は手首のほぼ中央に位置しています。月状骨周囲に炎症や骨内部の変化があると、手の甲側中央を押した際に、限られた場所へ強い痛みが生じることがあります。このような押したときの痛みを圧痛といいます。

手を使った後に重だるい痛みが続く
初期には作業中よりも、作業を終えた後に手首の奥が重く痛むことがあります。症状が進むと、休んでも痛みが残る、翌日まで違和感が続くといった変化が現れる場合があります。

机や床へ手をつくと痛む
手のひらをついて身体を支えると、手や指から手根骨へ体重が伝わります。月状骨は手首中央で荷重を受けるため、床から立ち上がる、椅子の肘掛けを押す、机へ手をつくといった動作で痛みが強くなることがあります。

重い物を持つと痛む
買い物袋、鍋、工具などを持つと、手首を安定させるために周囲の筋肉や腱が働きます。月状骨に問題がある場合は、手首中央へ加わる負荷が増し、持ち上げる瞬間や持ち続けている間に痛みが現れることがあります。

手首の甲側に軽い腫れがある
キーンベック病では、強い赤みを伴う腫れではなく、手を使った後に手の甲側中央が少し膨らむ、張った感じがするといった軽い腫脹として現れることがあります。

痛みや腫れが一時的に軽くなっても、手を使うたびに繰り返す場合は、月状骨や周囲の手根骨、靱帯などの状態を確認することが大切です。


握力低下には痛みの回避と手首の安定性低下が関係します

物を握るには、手や指を曲げる筋肉だけでなく、その力を支える手首の安定性が必要です。手首が適切な位置で安定することで、前腕の筋肉が生み出した力を、腱を通して指先へ効率よく伝えられます。

キーンベック病によって手首中央に痛みがあると、身体は痛みを避けるため、無意識に握る力を弱めます。また、月状骨の圧潰や変形が進み、周囲の手根骨の配列に影響すると、手首を安定させにくくなることがあります。

その結果、手や指自体を動かせても、ペットボトルのふたを開けられない、工具を保持できない、物を落としやすいといった握力低下として症状を自覚する場合があります。キーンベック病では、痛みや腫れとともに握力低下が生じることが、代表的な症状として挙げられています。

痛みの回避・関節の不安定性・左右差を確認します

痛みを避けて無意識に力を弱める
強く握ると手首中央が痛むため、本人が意識していなくても、身体が握る力を抑えることがあります。握力検査では、痛みのない側と比べて数値が低くなる場合があります。

手首の安定性が低下して力を伝えにくくなる
月状骨が変形すると、隣接する舟状骨、三角骨、有頭骨などとの位置関係が変化することがあります。手根骨の配列が乱れると、握る際の土台となる手首を安定させにくくなり、手や指へ十分な力を伝えられなくなる可能性があります。

反対側と比べて明らかに力が入りにくい
握力の低下は徐々に進むことがあるため、本人が気づきにくい場合があります。左右で同じ物を持ち、受傷側または痛む側だけ保持しにくくないかを確認すると、変化に気づきやすくなります。

握り始めより、持ち続けると痛くなる
持った直後には問題がなくても、時間がたつにつれて痛みや疲労感が強くなることがあります。ペットボトル、フライパン、工具などをどの程度の時間持てるかも、診察時に伝えたい情報です。

不意に物を落とすことが増えた
痛みが急に出て力が抜ける、十分に握り込めないといった理由で、持っている物を落とすことがあります。

握力低下を年齢や疲労だけの問題と考えず、手首中央の痛み・圧痛・動かしにくさを伴っているかを確認することが重要です。


可動域制限が進むと日常生活の細かな動作にも影響します

キーンベック病では、痛みを避けて手首を動かさない状態が続くことや、月状骨の変形によって周囲の手根骨の動きが乱れることで、手首の可動域が狭くなる場合があります。

手首の動きは、手のひら側へ曲げる屈曲、手の甲側へ反らす伸展だけではありません。親指側や小指側へ傾ける動き、前腕を回して手のひらを上や下へ向ける動きも、日常生活のさまざまな場面で使われています。

症状が進行すると、動き始めから痛むだけでなく、手首を最後まで曲げようとしたときに詰まる、硬い抵抗を感じるといった変化が現れることがあります。キーンベック病では、月状骨の変形に伴って手首の運動制限が生じることがあります。

手首の動きと日常生活への影響を確認します

手首を上下へ曲げ伸ばししにくい
手のひら側へ曲げる動作や、手の甲側へ反らす動作が、反対側より狭くなることがあります。洗顔時に手を顔へ近づける、机へ手をつくといった動作で違いに気づく場合があります。

手首を親指側・小指側へ動かしにくい
手首を左右へ傾ける動きが制限されると、包丁を使う、文字を書く、工具を操作するといった細かな作業にも影響します。

動きの終わりで詰まるように痛む
手首を一定の角度までは動かせても、最後まで曲げたり反らしたりしようとすると、関節内に詰まりや抵抗を感じることがあります。

ペットボトルや缶のふたを開けにくい
ふたを回すには、握力と前腕の回旋、手首の安定性が必要です。痛みや可動域制限があると、十分な力を加えられません。

工具・包丁・ラケットを長く握れない
強く握り続ける動作では、月状骨を含む手首中央へ繰り返し負荷が加わります。痛みや疲労によって、作業やスポーツを続けにくくなることがあります。

洗顔や家事で手をつく動作がつらい
洗面台へ手をつく、床掃除で手を支えにする、椅子から手をついて立つといった動作で、手首中央へ痛みが現れる場合があります。

持っている物を落としやすくなった
握力低下や痛みによる力の抜けによって、コップやスマートフォンなどを不意に落とすことがあります。

高月整形外科病院 手外科では、手首中央の痛みや腫れだけでなく、月状骨周囲の圧痛、手首の可動域、左右の握力差、日常生活で困っている動作を確認します。

必要に応じてレントゲン検査で月状骨の形や手根骨の配列を評価し、初期の病変が疑われる場合はMRI検査によって月状骨内部の状態を詳しく確認します。

昭島周辺で、手首中央の慢性的な痛み、握ると悪化する痛み、握力低下、手首の曲げ伸ばしの制限が続いている方は、使いすぎと自己判断せず、高月整形外科病院 手外科へご相談ください。


手首中央の痛みでは骨折と靱帯損傷を鑑別します

手首中央の痛みや握力低下は、キーンベック病だけでなく、転倒や衝突によって生じる骨折・靱帯損傷でも起こります。

特に、手のひらをついて転倒したあとから痛みが始まった場合は、月状骨そのものの病変だけでなく、月状骨と周囲の骨をつなぐ靱帯や、親指側にある舟状骨が傷ついていないかを確認することが重要です。

骨や靱帯の損傷では、受傷直後の腫れが軽く、手首をある程度動かせる場合もあります。「軽い捻挫だろう」と自己判断して使い続けると、手根骨の配列が乱れたり、骨がつかない状態へ進んだりする可能性があるため、外傷後の痛みが続く場合は注意が必要です。

手指・手関節の腱や靱帯損傷について詳しく知りたい方は、高尾で手指・手関節の腱・靱帯損傷にお悩みの方へ|原因・症状・治療を手外科が解説もあわせてご覧ください。

舟状月状骨間靱帯損傷と舟状骨骨折の特徴

舟状月状骨間靱帯損傷
手首の親指側にある舟状骨と、中央にある月状骨をつなぐ舟状月状骨間靱帯が傷ついた状態です。転倒して手をつくなど、手首へ強い力が加わった際に起こることがあります。

手の甲側中央の痛みや腫れに加え、物を握る、手をつく、手首を反らす動作で痛みが強くなることがあります。靱帯が大きく損傷すると、舟状骨と月状骨の位置関係が保てなくなり、手根不安定症へ進む場合があります。

手首の不安定感を伴うことがある
手首を動かしたときに引っかかる、力が抜ける、クリック音がするといった症状を伴う場合があります。ただし、初期には明確な不安定感がなく、痛みだけが続くこともあります。

舟状骨骨折
舟状骨は手首の親指側にある手根骨です。腕を伸ばして手をついた際に骨折しやすく、親指の付け根付近の痛みや腫れ、握る・押す・引く動作での痛みが現れます。

初期のレントゲンで分かりにくいことがある
骨折直後は骨折線がはっきり写らない場合があります。転倒後の痛みが続いているにもかかわらず、最初のレントゲンで明らかな異常がない場合は、診察所見に応じて追加撮影やCT・MRI検査を検討します。

手首中央や親指側に強い圧痛がある、物を握ると痛む、外傷後から症状が改善しない場合は、単なる捻挫と決めつけず、骨と靱帯の両方を確認することが大切です。


痛みの位置と悪化する動作からほかの疾患を切り分けます

手首は複数の骨、靱帯、軟骨、腱、関節包が組み合わさった複雑な構造です。そのため、患者さんが「手首の中央が痛い」と感じていても、実際には小指側の軟骨・靱帯や、手の甲側にできたしこり、関節軟骨の摩耗などが原因となっていることがあります。

痛みが手首のどこに集中しているかに加え、ドアノブを回す、手をつく、深く曲げ伸ばしするといった症状を再現する動作を確認すると、原因となる組織を切り分けやすくなります。

TFCC損傷・ガングリオン・変形性関節症の特徴

TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)
TFCCは、手首の小指側にある軟骨と靱帯の複合組織です。手首の小指側を支え、手のひらを上・下へ向ける回旋動作の際に、橈骨と尺骨の関係を安定させる役割があります。

TFCCを傷めると、手首の小指側に痛みが現れやすく、ドアノブを回す、タオルを絞る、ペットボトルのふたを開けるといった動作で症状が強くなります。転倒などの外傷だけでなく、繰り返す負担や加齢変化が関係する場合もあります。

手関節背側ガングリオン
ガングリオンは、関節や腱鞘の周囲から生じる、粘度の高い液体を含んだしこりです。手首の手の甲側にできることが多く、外から丸い膨らみとして見える場合があります。

しこりが小さい場合や手首の深い場所にある場合は、外見上は目立たないこともあります。手首を反らす、床へ手をつくといった動作で圧迫され、手の甲側中央に痛みが現れることがあります。

手関節の変形性関節症
過去の骨折や靱帯損傷、手根骨の不安定性などを背景に、関節軟骨が徐々に摩耗する状態です。

関節軟骨の摩耗や滑膜の炎症が進むと、慢性的な鈍痛、こわばり、腫れ、可動域制限が現れます。動かし始めに硬さを感じる、手首の曲げ伸ばしが徐々に狭くなる、荷重をかけると痛むといった症状がみられることがあります。

キーンベック病との違い
キーンベック病では、手首中央にある月状骨の血流低下と圧潰が病態の中心となり、手の甲側中央の圧痛、手を使った後の痛みや腫れ、握力低下、可動域制限などが現れます。

ただし、痛みの位置や日常動作だけで、これらの病気を厳密に見分けることはできません。複数の病変が同時に存在している場合もあるため、診察と画像検査を組み合わせて判断します。


症状だけで病名を決めず画像検査で原因を確認します

手首中央の痛みや握力低下では、どの疾患でも似た症状が現れることがあります。

例えば、手の甲側中央の痛みはキーンベック病や舟状月状骨間靱帯損傷、背側ガングリオンで生じます。握る動作での痛みは、骨折、靱帯損傷、TFCC損傷、関節症などでも現れます。

一方で、必要となる治療は疾患ごとに異なります。キーンベック病では病期に応じて固定や骨切り術などを検討しますが、骨折では骨癒合を得るための固定や手術、靱帯損傷では不安定性の程度に応じた固定や修復・再建、ガングリオンでは症状に応じた経過観察や処置を検討します。

そのため、症状だけから「使いすぎ」「捻挫」「キーンベック病」と自己判断せず、原因となる組織を詳しく評価することが重要です。

高月整形外科病院 手外科で確認する主なポイント

高月整形外科病院 手外科では、手首中央の痛みや握力低下について、次のような項目を確認します。

・痛みが手首中央・親指側・小指側のどこにあるか
・手のひら側と手の甲側のどちらが痛むか
・押すと強く痛む場所があるか
・転倒や衝突などの外傷歴があるか
・握る、持つ、手をつく動作で悪化するか
・手首を回す動作で痛むか
・手首の曲げ伸ばしに左右差があるか
・握力が反対側より低下しているか
・手首にしこりや不安定感があるか
・レントゲンで骨折や関節の変化があるか
・MRIで月状骨・靱帯・軟骨などの評価が必要か
・CTで骨の形や手根骨の配列を詳しく確認する必要があるか

レントゲン検査では骨折、月状骨の硬化・変形、手根骨の配列、関節症の変化などを確認します。MRI検査では、初期のキーンベック病における月状骨内部の変化や、靱帯・軟骨などの軟部組織を詳しく評価します。必要に応じてCTや超音波検査を組み合わせることもあります。キーンベック病は、初期にはレントゲン上の変化が明確でない場合があり、MRIによる詳細評価が診断に役立ちます。

昭島周辺で、手首中央の痛みが続く、握力が落ちた、手首を動かしにくい、転倒後の痛みが改善しないといった症状がある方は、自己判断で長期間様子を見続けず、高月整形外科病院 手外科へご相談ください。

痛みの位置、悪化する動作、症状の経過と画像所見を合わせて確認し、現在の病態に適した治療へつなげることが、手首・手・指の機能を守るために重要です。


診察では痛みの場所・手首の動き・握力を詳しく確認します

キーンベック病が疑われる場合、診察では「手首が痛い」という訴えだけでなく、どの位置が痛むのか、いつから続いているのか、どの動作で症状が強くなるのかを詳しく確認します。

手首中央の痛みは、キーンベック病だけでなく、舟状月状骨間靱帯損傷、手根骨骨折、ガングリオン、変形性関節症などでも生じます。そのため、痛みの位置や経過、外傷歴、仕事やスポーツでの負担を整理し、原因となる骨・関節・靱帯を切り分けることが重要です。

キーンベック病では、手を使った後の痛みや腫れ、握力低下、手首の運動制限に加えて、手の甲側中央にある月状骨付近を押した際の圧痛が診断の手がかりになります。

問診・触診・機能評価で確認する主な項目

痛む場所と症状の持続期間
手首の中央、親指側、小指側のどこが痛むのか、手のひら側と手の甲側のどちらに症状があるのかを確認します。また、症状が数日程度なのか、数週間から数か月続いているのかも重要です。

外傷歴と手首への負担
転倒して手をついた経験、手首をひねった外傷、仕事やスポーツで繰り返し手を使う状況などを確認します。キーンベック病は明らかな外傷歴がない方にも起こるため、けがの有無だけで判断することはできません。

月状骨周囲の圧痛
手の甲側中央を慎重に触診し、月状骨周囲を押したときに限局した痛みがあるかを確認します。痛みの位置は、ほかの手根骨や靱帯の損傷と区別するための手がかりになります。

手首の可動域
手首を手のひら側へ曲げる屈曲、手の甲側へ反らす伸展、親指側・小指側へ傾ける動きを確認します。反対側の手首と比較し、動く範囲や痛みの出る角度に差がないかを評価します。

左右の握力差
握力を左右で比較し、痛みや手首の不安定性によってどの程度力が低下しているかを確認します。以前より物を持ちにくい、工具を握り続けられないなど、日常生活での変化も評価します。

痛みを再現する動作
物を握る、手を机や床につく、手首を反らすなど、普段症状が出る動作を無理のない範囲で確認します。どの動作で痛みが強くなるかは、月状骨へ加わる負荷と日常生活への影響を把握するために重要です。

診察時には、「手首が痛い」とだけ伝えるのではなく、どこが、どの動作で、どのくらいの期間痛むのかを具体的に伝えると、より正確な評価につながります。


画像検査では月状骨内部と周囲の手根骨を評価します

キーンベック病では、病気の進行段階によって画像に現れる変化が異なります。進行した状態ではレントゲン検査で月状骨の硬化や圧潰を確認できることがありますが、初期には月状骨の外形が保たれ、レントゲン上の変化が目立たない場合があります。

そのため、症状や診察所見からキーンベック病が疑われる場合は、レントゲンだけでなく、MRI検査や必要に応じたCT検査を組み合わせて評価します。日本手外科学会でも、症状とレントゲン所見に加え、MRI検査が早期診断に有用であると説明しています。

レントゲン・MRI・CTでは確認する内容が異なります

レントゲン検査
レントゲンでは、月状骨の形、大きさ、高さ、骨の濃さ、周囲の手根骨の配列などを確認します。

病気が進行すると、月状骨が白く硬く見える骨硬化、高さが低くなって扁平化する圧潰、骨の分裂、周囲の関節症変化などが現れることがあります。キーンベック病の病期評価では、レントゲン所見が重要な判断材料になります。

MRI検査
MRIでは、レントゲンでは分かりにくい月状骨内部の骨髄変化や血流障害を反映する信号変化を詳しく確認します。

初期のキーンベック病では、レントゲンで月状骨の形に明らかな異常がなくても、MRIで内部の変化が確認されることがあります。そのため、原因のはっきりしない手首中央の痛みが続き、月状骨周囲に圧痛がある場合には、早期病変の評価としてMRIが重要になります。

CT検査
CTでは、月状骨の圧潰、細かな骨折、骨片の形、関節面、周囲の手根骨との位置関係を立体的に確認できます。

月状骨の形がどの程度崩れているか、関節面や手根骨の配列へどの程度影響しているかを詳しく評価したい場合や、手術方法を検討する場合に用いられることがあります。

画像検査は、単にキーンベック病の有無を判断するだけでなく、月状骨がまだ形を保っているのか、圧潰が始まっているのか、周囲の関節まで変化が及んでいるのかを確認する目的で行います。


症状と画像所見を合わせて病期と治療方針を判断します

キーンベック病の治療方法は、痛みの強さだけでは決まりません。月状骨内部の状態、圧潰の程度、手根骨の配列、関節症の有無、手首の可動域、握力などを総合し、現在の病期の進行段階を判断します。

一般的には、初期ではレントゲン上の変化が目立たないことがあり、進行すると月状骨の硬化、圧潰、手根骨配列の変化、周囲の関節症へと所見が変化します。現在の病期によって、安静や装具固定などの保存治療を行うのか、月状骨への負荷を減らす骨切り術や血行再建を目的とする手術などを検討するのかが異なります。

高月整形外科病院 手外科で確認する主な評価項目

・手首中央の痛みが続いている期間
・月状骨周囲の圧痛と腫れ
・握る、持つ、手をつく動作との関連
・手首の曲げ伸ばしと左右方向の可動域
・左右の握力差
・仕事、家事、スポーツへの影響
・レントゲンでの月状骨の硬化や変形
・MRIでの月状骨内部の変化
・CTによる月状骨の圧潰や手根骨配列の評価
・キーンベック病がどの病期にあるか
・舟状月状骨間靱帯損傷や手根骨骨折などの可能性
・固定による保存治療が適しているか
・骨切り術や骨移植などの手術を検討する状態か

高月整形外科病院 手外科では、手首中央の痛みや握力低下について、月状骨だけでなく、周囲の骨・関節・靱帯と手指の機能を含めて評価します。同院では手外科を診療科として設け、手指の機能回復を目的とした診療を行っています。

昭島周辺で、手首中央の痛みが数週間以上続いている、握ると症状が悪化する、以前より握力や手首の動きが低下していると感じる方は、「使いすぎ」と自己判断せず、高月整形外科病院 手外科へご相談ください。

診察と画像検査を組み合わせて現在の病期を確認し、その段階に合った治療方法を選ぶことが、手首・手・指の機能を保つうえで重要です。


キーンベック病の治療は進行段階と手首の機能に応じて選びます

キーンベック病の治療は、手首の痛みが強いかどうかだけで決まるものではありません。月状骨内部の血流や骨の形が保たれているか、圧潰が進んでいるか、周囲の手根骨の並びや関節軟骨に影響が及んでいるかを確認し、現在の進行段階に合った方法を選びます。

同じ画像所見であっても、年齢、利き手、仕事内容、スポーツ歴、家事で手を使う頻度などによって、治療で求められる手首の可動域や握力は異なります。そのため、画像上の病期だけでなく、痛み・可動域・握力・日常生活への影響を総合的に評価することが重要です。日本整形外科学会でも、キーンベック病の治療は症状や年齢、変形の進行状態などによって異なると説明されています。

治療方針を決める主な評価項目

月状骨の血流と変形
MRIなどで月状骨内部の変化を確認し、骨の形が保たれているか、扁平化や圧潰が始まっているかを評価します。

手根骨の並び
月状骨がつぶれると、周囲の舟状骨、三角骨、有頭骨などの位置関係にも影響することがあります。手根骨配列が保たれているか、手首全体に関節症変化が及んでいないかを確認します。

年齢と利き手
骨の状態や回復力に加え、症状が利き手に生じているかどうかも、治療方法を考える材料になります。

仕事や生活で必要な手の機能
工具を使う、重い物を持つ、パソコンを操作する、スポーツで手首へ荷重をかけるなど、日常的に必要とする動作を確認します。

痛み・可動域・握力
手首中央の痛みだけでなく、曲げ伸ばしの範囲、反対側との握力差、物を握る・つまむ・持つ動作への影響を評価します。

初期や痛みが強い時期の保存療法

月状骨の圧潰が目立たない初期や、痛みが強い時期には、手首へ加わる負担を減らす保存療法を検討します。

・手首を安静に保つ
・強く握る、重い物を持つ、床へ手をつく動作を調整する
・ギプスや装具で手首を固定する
・必要に応じて消炎鎮痛薬を使用する
・痛み、可動域、握力、画像所見の変化を経過観察する

固定は、月状骨へ繰り返し加わる荷重を減らし、痛みを落ち着かせることを目的とします。ただし、消炎鎮痛薬や装具だけで月状骨の血流や変形が必ず回復するわけではありません。症状が続く場合や画像上で病変が進んでいる場合は、手術療法を含めて治療方針を再検討します。


病気の進行度に応じて骨切り術や骨移植などを検討します

保存療法を行っても痛みが改善しない場合や、月状骨の血流障害・変形が進んでいる場合には、手術療法を検討します。

手術の目的は一つではありません。月状骨へ集中する負荷を減らす方法、月状骨への血流や骨組織の再建を目指す方法、進行した関節変化に対して手首の安定性や痛みの改善を目指す方法などがあります。

どの手術が適しているかは、月状骨の形、手根骨の配列、関節軟骨の状態、橈骨と尺骨の長さの関係、年齢、仕事や生活で必要とする手の機能によって異なります。日本整形外科学会では、月状骨への力を減らす橈骨短縮骨切り術や、遊離骨移植・血管柄付き骨移植などが治療方法として示されています。

手術方法は目的と病期によって異なります

橈骨短縮骨切り術
前腕の親指側にある橈骨の長さを調整し、月状骨へ集中している負荷を軽減することを目的とした手術です。

橈骨を一部切って短くし、プレートなどで固定することで、手首にかかる力の分布を変えます。すべての患者さんに適する方法ではなく、骨格の特徴や病期、関節の状態を確認して適応を判断します。

血管柄付き骨移植
血流を保った骨組織を月状骨へ移植し、月状骨内部の血流や骨組織の再建を目指す手術です。

月状骨の圧潰がどの程度進んでいるか、骨の形を保てる可能性があるかなどを確認したうえで検討します。

そのほかの骨移植・再建術
月状骨内部の状態や変形の程度に応じて、通常の骨移植や、手根骨へ加わる力を調整する骨切り術などが選択される場合があります。

進行例に対する救済手術
月状骨が大きくつぶれ、周囲の手根骨配列や関節軟骨にも変化が及んでいる場合は、月状骨への処置や、手関節を再建・安定化する手術を検討することがあります。

進行例では、すべての動きを元どおりに戻すことが難しい場合もあります。そのため、痛みの軽減、手首の安定性、生活に必要な可動域や握力の確保など、治療で優先する目標を整理することが重要です。

手術を行えば、すぐに手首を自由に使えるわけではありません。骨の固定状態、移植した組織、創部の治癒などを守る期間が必要であり、術後は診察と画像検査を行いながらリハビリテーションを進めます。


リハビリテーションは固定期から社会復帰まで段階的に進めます

キーンベック病の治療では、月状骨の状態を管理するだけでなく、手首・手・指の機能をできるだけ保ち、日常生活へ戻すことが重要です。

固定や手術後に手を長期間動かさないと、手首だけでなく、指や肘の関節も硬くなり、むくみや筋力低下が生じることがあります。一方、月状骨や手術部位が安定していない時期に自己判断で強く動かすと、治療部位へ過度な負担をかける可能性があります。

そのため、リハビリテーションは、病期、治療方法、画像所見、痛みや腫れの程度に応じて段階的に進めます。日本整形外科学会でも、手の外傷や手術後は医師の指示に従ってリハビリテーションを行い、固定されていない指・肘・肩などを適切に動かすことが重要とされています。

固定期・可動域訓練・機能回復・復帰の4段階で進めます

1.急性期・固定期

月状骨や手術部位を保護しながら、固定されていない関節の動きを保ちます。

・固定されていない指を曲げ伸ばしする
・肘や肩を許可された範囲で動かす
・手や指のむくみを確認する
・可能な範囲で手を高い位置に保つ
・指先の色、温度、しびれの有無を確認する

固定中に指の腫れが強くなる、指先が白い・青紫色になる、しびれが悪化するといった場合は、固定による圧迫や血流への影響を確認する必要があります。

2.手首の可動域を取り戻す段階

医師が運動開始を許可した後、手首の曲げ伸ばしを少しずつ再開します。

・手首を手のひら側へ曲げる
・手首を手の甲側へ反らす
・親指側、小指側へ動かす
・手のひらを上・下へ向ける
・痛みや腫れを確認しながら動く範囲を広げる

最初から反対側と同じ角度まで強く動かすのではなく、治療部位の安定性に合わせて進めます。

3.筋力と日常機能を回復する段階

骨や手術部位の状態が安定した後、許可された範囲で握力や手指の機能訓練を行います。

・やわらかい物を軽く握る
・親指と各指で物をつまむ
・コップや軽い物を持つ
・ペットボトルのふたを回す
・仕事や家事に近い手の動きを練習する

握力訓練後に手首中央の痛みや腫れが強くなる場合は、負荷が大きすぎる可能性があります。

4.仕事・スポーツへ復帰する段階

仕事や競技によって手首へ加わる負荷は異なります。事務作業と重量物を扱う仕事、接触のない運動と手をつく可能性のある競技では、復帰時期や訓練内容が異なります。

・仕事で必要となる握力や持久力
・工具や機器を扱う動作
・手をつく、体重を支える動作
・ラケットやバットを握る動作
・転倒や接触のリスク
・運動後の痛みや腫れ

これらを確認し、診察所見、画像所見、可動域、握力を踏まえて復帰時期を判断します。

高月整形外科病院 手外科では、月状骨の状態や病気の進行段階に加え、年齢、利き手、仕事、日常生活で必要な動作を確認し、保存療法・手術療法・リハビリテーションの方針を検討します。高月整形外科病院では、手外科領域の骨・関節・靱帯・腱・神経などを対象に診療を行っています。

昭島周辺で、手首中央の痛み、握ると悪化する症状、握力低下、手首の動かしにくさが続いている方は、痛みを我慢して使い続けたり、自己流で強く動かしたりせず、高月整形外科病院 手外科へご相談ください。


受診前のセルフチェックでは「痛む場所・悪化する動作・経過」を整理します

手首中央の痛みや握力低下について受診する際は、現在の痛みだけでなく、どの場所が痛むのか、どの動作で悪化するのか、いつから続いているのかを整理しておくと、診察時に症状を伝えやすくなります。

キーンベック病では、手首の手の甲側中央に痛みや圧痛が現れ、手を使った後の腫れ、握力低下、手首の動かしにくさなどを伴うことがあります。ただし、同様の症状は舟状骨骨折、舟状月状骨間靱帯損傷、ガングリオンなどでも起こるため、セルフチェックだけで病名を判断することはできません。

診察時に伝えたい症状整理のポイント

痛む場所を確認する
痛みが手首の中央にあるのか、親指側や小指側に偏っているのかを確認します。キーンベック病では、手の甲側中央の月状骨付近に圧痛がみられることがあります。

一点だけ強く痛む場所があるか確認する
手首全体が重だるいのか、押すとピンポイントで強く痛む位置があるのかを整理します。ただし、何度も強く押して痛みを確かめる必要はありません。

握る・持つ動作との関係を確認する
ペットボトル、工具、包丁、ラケットなどを握ったときに、手首中央の痛みが強くならないかを確認します。

手をついたときに痛むか確認する
机や床へ手をつく、椅子から手で支えて立ち上がるといった荷重動作で、手首に痛みが響くかを確認します。

症状が始まった時期を整理する
転倒や衝突をきっかけに急に始まったのか、明らかなけががなく徐々に痛くなったのかを確認します。

症状が続いている期間を確認する
数日、数週間、数か月のどの程度続いているか、休むと一時的に軽くなるものの繰り返しているかを整理します。

左右の握力を比較する
反対側と比べて物を握りにくい、瓶のふたを開けにくい、物を落としやすいといった変化がないか確認します。

手首の動く範囲を比較する
手首を曲げる、反らす、親指側・小指側へ傾ける動きに左右差がないかを確認します。痛みを我慢して無理に動かすことは避けてください。

受診時には、「手首が痛い」という情報だけでなく、どの位置が、どの動作で、どのくらいの期間痛むのかを伝えることが重要です。仕事内容、スポーツ、工具の使用など、普段どのように手や指を使っているかも、原因や治療方法を考える手がかりになります。


高月整形外科病院 手外科では骨・靱帯・腱・神経を総合的に評価します

手首中央の痛みは、月状骨だけに問題があるとは限りません。手首には複数の手根骨、関節、靱帯、腱、神経が集まっており、異なる組織の障害でも似た痛みや握力低下が現れます。

高月整形外科病院 手外科では、問診や触診に加え、手首の可動域、握力、痛みが再現される動作などを確認し、必要に応じて画像検査を組み合わせます。高月整形外科病院手外科では、急性外傷から慢性疾患までを対象とし、手外科専門医による診療体制が案内されています。

診察と画像検査で確認する主な項目

月状骨周囲の圧痛
手の甲側中央を触診し、月状骨付近に限局した圧痛があるかを確認します。

手首の可動域
手首の屈曲・伸展、親指側・小指側への動きなどを反対側と比較します。

握力と手指の機能
左右の握力差に加え、握る、つまむ、持つといった動作への影響を確認します。

レントゲン検査
月状骨の形、高さ、骨の硬化、圧潰の有無、周囲の手根骨の並びなどを確認します。病気が進行すると、月状骨の扁平化や周囲の関節変化が確認されることがあります。

MRI検査
月状骨内部の骨髄変化などを詳しく確認します。初期のキーンベック病ではレントゲン上の変化が目立たないことがあり、MRIは早期病変の評価に役立ちます。

CT検査
月状骨の圧潰や細かな骨の形、手根骨の配列、関節面の状態などを立体的に確認する必要がある場合に検討します。

画像検査は、すべての方に同じ内容を行うものではありません。症状、診察所見、レントゲン所見などを踏まえ、MRIやCTによる追加評価が必要かを判断します。

また、画像に異常があるかどうかだけでなく、キーンベック病がどの進行段階にあるのかを確認することが重要です。月状骨の形が保たれている時期と、圧潰や手根骨配列の変化が進んだ時期では、一般的な治療方針が異なります。


生活で必要な手の機能に合わせて治療計画を検討します

キーンベック病の治療では、画像上の進行段階だけでなく、年齢、利き手、仕事内容、スポーツ、痛みの程度、手首の可動域、握力などを総合的に確認します。

同じ病期であっても、事務作業が中心の方と、工具や重量物を扱う方では、手首に加わる負担や必要となる握力が異なります。そのため、現在の症状を軽減するだけでなく、仕事や日常生活で必要な手・指の機能をどのように保つかという視点が重要です。

保存治療・手術・リハビリテーションを状態に応じて選びます

保存治療
初期や痛みが強い時期には、手首の安静、負担動作の調整、ギプスや装具による固定、必要に応じた消炎鎮痛薬などを検討します。

手術治療
症状や進行段階に応じて、月状骨へ加わる負荷を減らす橈骨短縮骨切り術、血流や骨組織の再建を目指す血管柄付き骨移植などが検討されることがあります。進行した状態では、関節の変化に合わせた手術が選択される場合もあります。

リハビリテーション
固定や手術後は、治療部位を保護しながら指や肘の動きを維持し、許可された段階から手首の可動域訓練、握力訓練、実際の生活動作の練習へ進みます。

仕事やスポーツへの復帰
手首の痛み、可動域、握力、画像所見を確認し、仕事や競技で必要となる負荷に合わせて復帰時期を判断します。

自己判断で強く手首を動かしたり、痛みを我慢して握力訓練を行ったりすると、月状骨や治療部位への負担が増える可能性があります。運動を開始する時期や負荷量は、現在の病期と治療内容に合わせることが大切です。

昭島周辺で、原因のはっきりしない手首中央の痛み、握ると強くなる痛み、手首の動かしにくさ、握力低下が続いている方は、使いすぎと自己判断せず、高月整形外科病院 手外科へご相談ください。

早い段階で月状骨や周囲の組織を確認し、現在の進行段階と生活上必要な機能に合った治療方法を検討することが、手首・手・指の機能を守ることにつながります。


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