昭島で橈骨遠位端骨折(手首の骨折)にお悩みの方へ
昭島周辺で、転倒して手をついたあとから手首が強く痛む、手首から手の甲にかけて急に腫れてきた、手や指に力が入らず物を握れないといった症状はありませんか。
このような症状がある場合は、前腕の親指側にある橈骨(とうこつ)が、手首に近い部分で折れる橈骨遠位端骨折が起きている可能性があります。橈骨遠位端骨折は、転倒時に反射的に手のひらを地面へついた際に起こりやすく、一般に「手首の骨折」と呼ばれる代表的な外傷です。
骨折による症状は、手首の痛みや腫れだけではありません。骨片のずれや受傷後の強い腫れによって神経が圧迫されると、手や指のしびれ、感覚の鈍さ、指の動かしにくさが現れることがあります。また、手首が安定しなくなることで、指を動かすことはできても、物を握る、持ち上げる、ドアノブを回すといった動作が難しくなる場合があります。
一方、骨のずれが少ない骨折では、明らかな変形がみられず、手首をある程度動かせることもあります。そのため、「手首を捻挫しただけだと思っていた」「打撲だと思って様子を見ていた」という方でも、痛みや腫れが続いている場合は注意が必要です。
このような手首・手・指の症状はありませんか
・転倒して手をついたあとから手首が強く痛む
・手首の親指側を押すと強く痛む
・受傷後、短時間で手首が腫れてきた
・手首や手の甲に青紫色の内出血がある
・反対側と比べて手首の形が異なって見える
・手首を曲げる、反らす、ひねる動作ができない
・手や指に力が入らず、物を握れない
・指を動かすと手首まで痛みが響く
・親指、人差し指、中指などにしびれがある
・指先の感覚が鈍い
・指先が白い、青紫色、冷たい
・捻挫だと思っていた痛みが数日たっても続いている
このような症状には、橈骨遠位端骨折のほか、舟状骨骨折、手関節の靱帯損傷、脱臼、TFCC損傷などが関係していることがあります。特に、手や指のしびれ、指先の色や温度の変化、明らかな手首の変形がある場合は、神経や血流への影響も含めて早めに確認する必要があります。
転倒後の症状は「痛み・見た目・感覚・機能」で整理します
転倒後に手首が痛む場合、痛みの強さだけで骨折か捻挫かを判断することは困難です。骨のずれが大きい橈骨遠位端骨折では、強い腫れや手首の変形が現れやすい一方、ずれの少ない骨折では、見た目の変化が目立たず、痛みだけが続く場合があります。
また、手首は、手や指を動かす腱、感覚や運動を担う神経、手指へ血液を送る血管が通る部位です。そのため、骨折部だけでなく、手や指の感覚・血流・動かしやすさも重要な評価項目となります。
症状を整理するときは、どこが痛むかだけでなく、転倒後にどのような変化が現れ、手や指の動作へどの程度影響しているかを確認することが大切です。
痛み・変形・しびれ・握りにくさを確認します
・転倒後に手首が強く痛み、急速に腫れてきた
骨折に伴って骨膜や周囲の軟部組織が損傷し、出血と炎症が起きている可能性があります。腫れは受傷直後よりも、数時間たってから強くなることがあります。
・手首が曲がって見える、左右で形が異なる
骨折した骨片が本来の位置からずれる転位が生じている可能性があります。変形がある場合は、自分で引っ張ったり元に戻そうとしたりせず、無理のない位置で支えることが重要です。
・手や指に力が入らず、物を握れない
物を握る動作では、指だけでなく、手首を安定させる働きが必要です。骨折による痛み、腫れ、骨片のずれによって手首が不安定になると、コップを持つ、ペットボトルを握る、タオルを絞るといった動作が難しくなります。
・親指から薬指にかけてしびれがある
骨折による腫れや変形で、手首の手のひら側を通る正中神経が圧迫されている可能性があります。しびれが強くなる、触った感覚が分かりにくい場合は、早めの評価が必要です。
・指先が白い、青紫色、冷たい
腫れや骨片によって血管が圧迫され、手指の血流へ影響している可能性があります。反対側の指先と比べて明らかな色や温度の違いがある場合は注意が必要です。
・明らかな変形はないが、痛みが改善しない
骨のずれが少ない橈骨遠位端骨折、舟状骨骨折、靱帯損傷などが隠れている可能性があります。手首をある程度動かせる場合でも、骨を押したときの強い痛みや、握った際の痛みが続くときは、画像検査による確認が必要です。
高月整形外科病院 整形外科では、手首の見た目だけでなく、転倒時の状況、圧痛の位置、手や指のしびれ、指先の血流、握る・つまむといった機能を総合的に確認します。
この記事で解説すること
橈骨遠位端骨折では、骨折の有無だけでなく、骨片がどの程度ずれているか、骨折線が手首の関節面まで及んでいるか、神経や血流への影響がないかを確認することが重要です。
骨のずれが少なく安定している場合は、シーネやギプスによる固定を検討します。一方、転位が大きい場合や、整復後も骨片が再びずれる場合、関節面に段差が残る場合には、手術が必要になることがあります。
また、治療では骨をつけることだけでなく、手首の可動域、手や指の動かしやすさ、握力などを回復させる視点も欠かせません。固定中や治療後に関節が硬くならないよう、骨折の安定性に合わせてリハビリテーションを進めます。
高月整形外科病院 整形外科の視点から解説する主な内容
・橈骨と手首の構造
・転倒して手をついた際に骨折が起こる仕組み
・手首の強い痛み、腫れ、内出血が生じる理由
・骨片のずれによって手首が変形するメカニズム
・手や指に力が入らず、物を握れなくなる原因
・指のしびれや感覚低下が生じる理由
・指先の血流障害でみられる症状
・捻挫と骨折を見分ける際のポイント
・橈骨遠位端骨折と鑑別する主な外傷
・レントゲン検査とCT検査の役割
・関節面まで骨折している場合の評価
・整復、ギプス固定、手術を選ぶ一般的な基準
・治療後のリハビリテーション
・受診前に確認したいセルフチェック
・早めに整形外科へ相談したい症状
・骨粗鬆症の評価が重要となる理由
・高月整形外科病院 整形外科で行う診断と治療の考え方
本記事では、昭島で転倒後の手首の痛み、腫れ、変形、手や指のしびれ、物を握れない症状にお悩みの方に向けて、橈骨遠位端骨折(手首の骨折)の原因とメカニズム、一般的な検査・治療方法、受診の目安について、高月整形外科病院 整形外科の視点から詳しく解説します。

橈骨遠位端骨折とは
橈骨遠位端骨折は、前腕にある2本の骨のうち、親指側を通る橈骨(とうこつ)が、手首に近い部分で折れる外傷です。転倒した際に反射的に手のひらを地面へつき、身体の重さと転倒の勢いが手首へ集中することで起こります。
前腕は、親指側にある橈骨と、小指側にある尺骨(しゃっこつ)によって支えられています。橈骨の手首側は手根骨と接して手関節を構成しており、手や指に加わった力を前腕へ伝える重要な部分です。
橈骨遠位端骨折は、日常生活中の転倒で起こりやすい代表的な手首の骨折です。特に骨粗鬆症によって骨が弱くなっている中高年以降では、立った高さから転倒しただけでも骨折することがあります。一方、若い方でも、自転車やスポーツ中の転倒、高所からの転落、交通事故などによって強い外力が加わると発生します。
前腕の2本の骨と骨折が起こる位置
・橈骨(とうこつ)
前腕の親指側にある骨です。手首に近づくにつれて幅が広くなり、複数の手根骨と接して手関節を支えています。転倒して手のひらをついた際の衝撃を受けやすく、手首に近い部分が折れると橈骨遠位端骨折と呼ばれます。
・尺骨(しゃっこつ)
前腕の小指側にある骨です。橈骨とともに前腕を構成し、手のひらを上へ向ける、下へ向けるといった前腕の回旋運動にも関係します。橈骨遠位端骨折では、尺骨の先端付近も同時に骨折することがあります。
・橈骨遠位端
「遠位端」とは、身体の中心から離れた側の端を意味します。橈骨遠位端は橈骨の手首に近い部分であり、橈骨遠位端骨折が起こる中心的な部位です。
・親指側と小指側
手首の痛む場所を確認するときは、親指側か小指側かを分けて考えます。橈骨遠位端骨折では親指側を中心に痛みや腫れが現れやすい一方、尺骨側の骨折や靱帯・軟骨組織の損傷を伴うと、小指側にも症状が出ることがあります。
転倒時の衝撃が手のひらから橈骨へ伝わって骨折します
転倒したとき、人は頭や身体を守ろうとして反射的に腕を伸ばし、手のひらを地面へつきます。その際、手のひらに加わった衝撃は、手根骨を通って手首に近い橈骨へ伝わります。
特に手首を手の甲側へ反らした状態で手をつくと、橈骨遠位端へ圧縮力と曲げる力が集中します。骨がその力に耐えられなくなると、骨折が生じます。
骨片が手の甲側へずれる骨折はコーレス骨折、手のひら側へずれる骨折はスミス骨折と呼ばれます。また、骨折線が関節面まで達する場合や、骨が複数の骨片に分かれる場合もあり、骨折の形によって治療方法が異なります。
転倒後に起こる手首の変化
・骨折部に強い痛みが生じる
骨折によって骨膜や周囲の軟部組織が傷つくため、手首に強い痛みが現れます。手首を動かしたときだけでなく、骨折部を押したときや、指に力を入れたときにも痛むことがあります。
・短時間で腫れや内出血が現れる
骨折部周囲の血管が傷つき、出血と炎症が起こることで手首が腫れます。腫れは手の甲や指まで広がることがあり、時間がたつと皮膚に青紫色の内出血が現れる場合があります。
・骨片のずれによって変形する
骨折した骨片が本来の位置からずれると、手首が曲がって見える、手の甲側が盛り上がる、反対側と形が異なるといった変形が生じます。
・神経が圧迫されて手指がしびれる
骨折した骨や強い腫れによって、手首の手のひら側を通る正中神経が圧迫されると、親指から薬指にかけてしびれや感覚低下が現れることがあります。
・血流へ影響することがある
腫れや骨片のずれが強い場合は、手や指へ向かう血管への影響も確認します。指先が白い、青紫色、冷たいなどの変化がある場合は、早めの評価が必要です。
手首が不安定になると手や指の日常動作にも影響します
手首は、前腕で生み出された力を手や指へ伝え、手指を安定して動かすための重要な接点です。橈骨遠位端骨折によって手首に痛みや腫れ、骨片のずれが生じると、手首だけでなく、手や指を使うさまざまな動作が難しくなります。
指自体をある程度動かせても、指に力を入れると手首へ負荷が伝わるため、物を握れない、つまめない、持ち上げられないといった症状が現れます。橈骨遠位端骨折では、手首の痛みや変形だけでなく、手指のしびれや機能低下も確認することが重要です。
握る・つまむ・ひねる・支える動作への影響
・握る動作
ペットボトル、コップ、ドアノブなどを握るには、指を曲げる力だけでなく、手首を安定した位置に保つ必要があります。手首が痛む、または不安定になると、指に十分な力を入れられなくなります。
・つまむ動作
親指と人差し指で硬貨やボタンをつまむ動作でも、手首の安定性が必要です。痛みやしびれがあると、細かな物をつまみにくくなったり、物を落としやすくなったりします。
・ひねる・回す動作
ペットボトルのふたを開ける、鍵を回す、タオルを絞るといった動作では、手首だけでなく、橈骨と尺骨が連動する前腕の回旋運動を使います。骨折によってこの動きが制限されると、日常の回す動作が困難になります。
・物を支える動作
皿や鍋を持つ、手すりをつかむ、椅子から手をついて立ち上がるなど、手で身体や物を支える動作でも、手首には大きな負荷が加わります。
・指を動かす動作
指を動かす腱は前腕から手首を通って指先へ続いています。指を曲げ伸ばしすると手首周囲の腱も動くため、骨折部へ痛みが響くことがあります。
高月整形外科病院 整形外科では、橈骨遠位端骨折について、骨折の位置や骨片のずれだけでなく、手首の可動域、手や指の感覚、握る・つまむ・ひねるといった日常動作への影響も確認します。
昭島周辺で、転倒後に手首が痛む、手や指に力が入らない、ペットボトルのふたを開けられない、物を支えられないといった症状がある場合は、捻挫と自己判断せず、早めに高月整形外科病院 整形外科へご相談ください。

転倒後の手首の痛み・腫れは骨折を疑う重要なサインです
転倒して手をついた直後から手首が強く痛む、親指側の骨を押すと激痛がある、短時間のうちに腫れや内出血が広がってきた場合は、橈骨遠位端骨折が起きている可能性があります。
橈骨遠位端は、前腕の親指側にある橈骨のうち、手首に近い部分です。転倒時に手のひらを地面へつくと、身体の重さと転倒の勢いが、手のひらから手根骨を通って橈骨遠位端へ伝わります。骨がこの力に耐えられなくなると、骨折が生じます。
骨折すると、骨の表面を覆う骨膜や周囲の筋肉、腱、靱帯、血管なども傷つくため、強い痛みと腫れが現れます。受傷直後には腫れが軽く見えても、骨折部からの出血や炎症反応によって、数時間かけて手首から手の甲、指へ腫れが広がることがあります。
痛み・腫れ・内出血の現れ方を確認します
・転倒直後から手首が強く痛む
骨折によって骨膜や周囲の組織が刺激されると、安静にしていても強い痛みを感じることがあります。手首を動かす、物を持つ、指に力を入れるといった動作で痛みがさらに強くなる場合があります。
・親指側の骨のあたりを押すと激痛がある
橈骨遠位端の位置に限局した強い圧痛がある場合は、骨折を疑う重要な手がかりになります。ただし、舟状骨骨折などでも手首の親指側が痛むため、痛みの位置だけで病名を確定することはできません。
・短時間で急激に腫れてきた
骨折部や周囲の血管が傷つくと、出血と炎症によって組織内に水分がたまり、手首が急速に腫れます。腫れが強くなると、手や指を動かしにくくなったり、神経や血管が圧迫されたりする可能性があります。
・青紫色の内出血が出ている
骨折部周囲で生じた出血が皮下へ広がると、青紫色の内出血として見えることがあります。その後、時間の経過とともに緑色や黄色へ変化する場合もあります。
手首の腫れが強くなる前に、指輪や腕時計などは早めに外しておくことが大切です。すでに指輪が外れないほど腫れている場合は、無理に引っ張らず、医療機関へ相談してください。
手首の変形と機能低下は骨片のずれや関節の不安定性で起こります
橈骨遠位端骨折では、折れた骨片が本来の位置からずれることがあります。この状態を転位と呼びます。
転位が大きい場合は、反対側の手首と比べて形が異なる、骨の並びに段差がある、手首が不自然な方向へ曲がって見えるといった変形が現れます。骨片が手の甲側へずれる代表的な骨折はコーレス骨折と呼ばれ、手首がフォークを伏せたような形に見えることがあります。
一方、外見上の変形が目立たなくても、骨折による痛みや腫れ、関節の不安定性によって、手首を曲げる、回す、物を握るといった動作が難しくなることがあります。
手や指を動かす筋肉は前腕にあり、その腱が手首を通って指先まで続いています。そのため、指を動かすだけでも骨折部周囲の腱が動き、手首へ響くような痛みが生じる場合があります。
変形・握りにくさ・回しにくさを確認します
・反対側の手首と比べて形が違う
左右の手首を並べたときに、手の甲側が盛り上がっている、手首の幅や角度が異なる場合は、骨片がずれている可能性があります。
・骨の並びに明らかな段差がある
手首を触ったときに不自然な突出や段差がある場合は、骨折や脱臼が疑われます。自分で押したり、引っ張って元の位置へ戻そうとしたりしないでください。
・手首がフォークのように曲がって見える
橈骨遠位端の骨片が手の甲側へずれると、手首が食器のフォークを伏せたような形に見えることがあります。これはコーレス骨折にみられる代表的な変形です。
・手首の関節が不自然な位置にある
骨折だけでなく、手関節の脱臼や骨折脱臼を伴っている可能性があります。皮膚が強く張っている場合や、骨が皮膚を内側から圧迫しているように見える場合は、早めの処置が必要です。
・手首を曲げたり回したりできない
痛みや腫れに加えて、骨折部が不安定になっていることで、手首の曲げ伸ばしや前腕の回旋が制限されることがあります。
・ドアノブを回す動作が激痛で困難
ドアノブを回す動作では、橈骨と尺骨が連動して前腕を回旋させます。橈骨遠位端が骨折すると、この動きによって骨折部へねじる力が加わり、強い痛みが生じます。
・重い物だけでなくコップも持てない
物を持つためには、指で握る力だけでなく、手首を安定した位置に保つ働きが必要です。手首が痛む、または不安定になると、軽いコップやスマートフォンでも保持しにくくなることがあります。
・指を動かすと響くような痛みがある
指を曲げ伸ばしする腱が手首周囲を通るため、指の動きが骨折部へ伝わり、痛みが強くなることがあります。
明らかな変形がある場合は、タオルや厚紙などを利用し、痛みの少ない位置で手首を支えてください。無理に曲げ伸ばしを繰り返すと、骨片のずれや神経・血管への影響が強くなる可能性があります。
指のしびれ・冷たさ・動かしにくさは緊急性の高いサインです
橈骨遠位端骨折による腫れや骨片のずれが強い場合、手首を通る神経や血管が圧迫されることがあります。
特に手首の手のひら側には、親指、人差し指、中指、薬指の一部の感覚や運動に関係する正中神経が通っています。骨折後の腫れや変形によって正中神経が圧迫されると、手や指のしびれ、感覚の鈍さ、指の動かしにくさが現れる場合があります。
また、血管が圧迫されて手指への血流が低下すると、指先が白っぽい、青紫色になる、冷たく感じるといった変化が生じます。神経障害や血流障害が疑われる場合は、一般的な痛みや腫れだけの場合よりも緊急性が高くなります。
早めに整形外科を受診したい症状
・指先にしびれや感覚の鈍さがある
親指から薬指にかけてしびれる、触れている感覚が反対側より分かりにくい場合は、正中神経などが圧迫されている可能性があります。
・指先が冷たく、白っぽくなっている
血流が低下している可能性があります。指先が青紫色に変化している、爪を押したあとの血色が戻りにくい場合も注意が必要です。
・指をまったく動かすことができない
強い痛みや腫れだけでなく、腱、神経、血流への影響が関係している可能性があります。無理に動かそうとせず、早めに状態を確認してください。
・しびれや痛みが時間とともに強くなる
受傷直後よりも症状が悪化している場合は、腫れによる神経圧迫が進んでいる可能性があります。
・捻挫だと思った痛みが数日たっても引かない
骨のずれが少ない骨折では、明らかな変形がみられず、手首をある程度動かせる場合があります。数日経過しても痛みや腫れが改善しない、親指側の骨を押すと痛む、物を握ると強く痛む場合は、骨折が隠れていないか確認する必要があります。
・骨折部付近に傷や出血がある
皮膚の傷と骨折部がつながる開放骨折の可能性があります。感染の危険があるため、早急な処置が必要です。
・手首が明らかに変形している
骨片の転位が大きい可能性があります。神経や血管への圧迫を伴う場合もあるため、自分で整復しようとせず受診してください。
高月整形外科病院 整形外科では、転倒後の手首の痛みや腫れだけでなく、変形の程度、手や指のしびれ、指先の血流、手指の運動機能を総合的に確認します。
診察では、痛みのある場所や受傷時の状況を確認し、レントゲン検査によって骨折の有無、骨片のずれ、関節面への広がりなどを評価します。関節内骨折や粉砕骨折が疑われる場合は、CT検査による詳細な確認を検討します。
昭島周辺で、転倒後に手首が強く痛む、急速に腫れてきた、手首が変形している、指先がしびれる・冷たい、物を持てないといった症状がある場合は、捻挫と自己判断せず、早めに高月整形外科病院 整形外科へご相談ください。

なぜ転倒すると橈骨遠位端骨折が起こるのか
橈骨遠位端骨折は、転倒した際に反射的に手のひらを地面へつき、その衝撃が手首に近い橈骨へ集中することで起こります。
転倒すると、人は頭や胴体を守るために腕を前へ伸ばします。その状態で手のひらを地面につくと、身体の重さと転倒の勢いによる力が、手のひらから手根骨を通って前腕へ伝わります。前腕にある2本の骨のうち、親指側に位置する橈骨は手首を支える重要な骨であり、その手首側に大きな衝撃が集中すると、骨が耐えきれずに折れることがあります。橈骨遠位端骨折は、転倒して地面に手をついた際に生じやすい代表的な手首の骨折です。
特に、手首を手の甲側へ反らした状態で手をつくと、橈骨遠位端に対して、骨を縦方向に押し込む圧縮力と、骨を曲げようとする力が同時に加わりやすくなります。衝撃の大きさが骨の強度を上回ると、骨折や骨片のずれが生じます。
転倒から骨折までの流れ
・STEP1:転倒する
段差につまずく、滑る、バランスを崩すなどして、身体が前方または横方向へ倒れます。
・STEP2:反射的に手のひらをつく
頭や身体を地面へ直接ぶつけないよう、腕を伸ばして手をつきます。
・STEP3:衝撃が手首へ集中する
手のひらに加わった力は、手首を構成する手根骨から橈骨へ伝わります。腕を伸ばした状態では、手首が衝撃を受け止める接点となります。
・STEP4:橈骨遠位端が骨折する
転倒の勢い、身体の重さ、手首の角度などによって橈骨に加わる力が強くなると、手首に近い部分が折れます。骨折時の力の方向によっては、骨片が手の甲側や手のひら側へずれたり、骨折線が関節面まで及んだりすることがあります。
橈骨遠位端骨折が起こりやすい主な場面
橈骨遠位端骨折は、自宅内や道路での転倒から、スポーツ中の事故、交通事故まで、さまざまな状況で起こります。
中高年以降では、歩行中につまずく、雨や雪で滑るといった日常的な転倒がきっかけになることがあります。一方、骨が比較的丈夫な若い方でも、自転車やバイクからの転倒、スポーツ中の転倒、高所からの転落など、手首へ強い力が加わると骨折する可能性があります。日本整形外傷学会では、橈骨遠位端骨折は中高年以降に多いものの、若年者でもスポーツ中の転倒や高所からの転落によって生じると説明しています。
日常生活・スポーツ・事故で注意したい受傷場面
・段差でのつまずきや階段からの転落
歩道の小さな段差、敷居、階段などで足を取られ、前方へ手をついた際に骨折することがあります。
・雨や雪道でのスリップ
ぬれた床、凍結した道路、雪道などでは、急に足を滑らせるため、体勢を整えられないまま勢いよく手をつくことがあります。橈骨遠位端骨折は、地面が滑りやすくなる冬場などに発生数が増えることが知られています。
・自転車やバイクからの転倒
走行中の転倒では、歩行中よりも大きな速度が加わるため、手首へ強い衝撃が集中します。骨折が関節面まで及んだり、骨が複数に分かれたりする場合もあります。
・スポーツや部活動中の転倒
サッカー、バスケットボール、スキー、スノーボード、スケートなどで転倒し、手をついた際に骨折することがあります。若い方では、強い外力による骨折が中心となります。
・交通事故による強い衝撃
車両との衝突や転倒により手首へ大きな力が加わると、橈骨だけでなく、尺骨、手根骨、靱帯、神経などを同時に損傷する可能性があります。
・暗い場所での足の踏み外し
夜間の室内、照明の少ない階段、屋外の段差などでは足元を確認しにくく、突然の転倒につながります。
転倒時の状況は、骨折の形を推定する重要な手がかりです。受診時には、手のひらと手の甲のどちらをついたのか、どの方向へ転倒したのか、転倒時の速度や高さなどを伝えることが大切です。
骨の強さによっては軽い転倒でも骨折することがあります
同じように転倒して手をついても、すべての方が骨折するわけではありません。骨折するかどうかは、手首へ加わった衝撃だけでなく、骨の強さにも左右されます。
骨粗鬆症では、骨量が減少して骨が弱くなるため、立った高さからの転倒など、通常であれば骨折しない程度の力でも橈骨遠位端骨折が起こることがあります。手首の橈骨遠位端は、脊椎や大腿骨近位部などと並び、骨粗鬆症に関連する骨折が起こりやすい部位です。
特に中高年以降の方が比較的軽い転倒で手首を骨折した場合は、骨折そのものの治療に加えて、骨密度や骨粗鬆症の有無を確認することが、将来の骨折予防につながります。
軽い転倒でも注意したい方と受診のポイント
・閉経後の女性
女性ホルモンの減少に伴って骨量が低下し、骨折しやすくなることがあります。
・過去に骨粗鬆症を指摘された方
骨が弱くなっている場合は、尻もちや立った高さからの転倒でも骨折する可能性があります。
・以前にも手首・背骨・股関節などを骨折した方
過去の脆弱性骨折は、次の骨折リスクを考えるうえで重要な情報です。
・軽い転倒なのに痛みや腫れが強い方
転倒時の衝撃が小さく感じられても、骨折している可能性があります。外力の強さだけで判断しないことが大切です。
・変形はないものの痛みが続いている方
骨片のずれが少ない骨折では、外見上の変化が目立たないことがあります。手首の親指側を押すと強く痛む、物を握ると痛む、数日たっても改善しない場合は、画像検査による確認が必要です。
高月整形外科病院 整形外科では、転倒時の状況、手首の痛みや腫れ、圧痛、変形、手や指のしびれ、指先の血流などを確認し、必要に応じてレントゲン検査やCT検査を検討します。
昭島周辺で、転倒して手をついたあとから手首が強く痛む、急速に腫れてきた、物を握れない、指にしびれがあるといった症状がある場合は、転倒の程度だけで軽症と判断せず、早めに高月整形外科病院 整形外科へご相談ください。

骨折のタイプは「骨のずれる方向」と「折れ方」で分類します
橈骨遠位端骨折は、すべてが同じ形で起こるわけではありません。転倒時に手首がどの角度になっていたか、どの方向から力が加わったか、骨の強度がどの程度保たれていたかによって、骨片のずれる方向や骨折の広がり方が異なります。
代表的な分類には、骨片が手の甲側へずれるコーレス骨折と、手のひら側へずれるスミス骨折があります。また、骨折線が手関節の関節面まで達する関節内骨折や、骨が複数の骨片に分かれる粉砕骨折もあります。
コーレス骨折とスミス骨折は、主に骨片がずれる方向を表す名称です。一方、関節内骨折と粉砕骨折は、骨折が及ぶ範囲や骨片の数を表しています。そのため、例えば「手の甲側へずれたコーレス骨折であり、同時に関節内骨折や粉砕骨折でもある」というように、複数の特徴を併せ持つ場合があります。
コーレス骨折とスミス骨折では変形する方向が異なります
・コーレス骨折|骨片が手の甲側へずれる
コーレス骨折は、橈骨遠位端の手首側の骨片が、手の甲側へずれた骨折です。手のひらを地面について転倒した際に起こりやすく、橈骨遠位端骨折の代表的なタイプです。
転倒時に手首を手の甲側へ反らした状態で手をつくと、手のひらから伝わった力によって、橈骨の手首側が押しつぶされるように折れます。骨片のずれが大きい場合、横から見た手首が食器のフォークを伏せたような形に変形することがあります。
・スミス骨折|骨片が手のひら側へずれる
スミス骨折は、橈骨遠位端の骨片が、コーレス骨折とは反対の手のひら側へずれた骨折です。
手首を手のひら側へ曲げた状態で手の甲をついた場合や、手首の手の甲側へ直接強い力が加わった場合などに起こります。見た目の変形もコーレス骨折とは反対方向に現れます。
日本整形外科学会では、手首側の骨片が手の甲側へずれたものをコーレス骨折、手のひら側へずれたものをスミス骨折と説明しています。骨片の方向だけでなく、ずれの大きさや整復後の安定性も治療方法を決める重要な要素です。
関節内骨折と粉砕骨折では骨折の広がりと安定性を確認します
橈骨遠位端は、手根骨と接して手関節の表面を形成しています。そのため、骨折線が関節面まで及んでいるかどうかは、将来の手首の動きや痛みに関わる重要な評価項目です。
また、骨が一つの線で比較的単純に折れている場合と、複数の小さな骨片に分かれている場合では、骨を元の位置へ戻したあとに、その位置を維持できるかどうかが異なります。
レントゲン検査では、骨片のずれ、関節面への広がり、粉砕の程度などを確認します。複雑な骨折では、CT検査を追加し、関節面の段差や骨片の位置を立体的に評価することがあります。
関節面の段差と骨片の数が治療選択に関係します
・関節内骨折|骨折線が関節面まで達している
関節内骨折は、骨折線が橈骨の表面だけにとどまらず、手首の関節面まで達した状態です。
手関節は、骨の表面を覆う関節軟骨が滑らかに動くことで、手首の曲げ伸ばしや回旋に対応しています。骨折によって関節面に段差や隙間が生じ、その状態が残ると、関節の動きが滑らかでなくなり、治癒後も痛みや可動域制限が残る可能性があります。
さらに、時間の経過とともに関節軟骨へ負担が加わり、外傷後の変形性関節症につながることも考えられます。そのため、関節内骨折では、骨がつくことだけでなく、関節面の整合性をどの程度回復できるかが重要です。高月整形外科病院でも、手関節周囲骨折では関節面の滑らかさと安定性を重視して治療方針を判断しています。
・粉砕骨折|骨が複数の骨片に分かれている
粉砕骨折は、橈骨遠位端が一つの骨折線で折れるのではなく、複数の小さな骨片に分かれた状態です。
強い衝撃が加わった場合だけでなく、骨粗鬆症によって骨が弱くなっている場合にも起こることがあります。骨片が細かく分かれていると、整復によって一度位置を戻しても、ギプス内で再びずれることがあります。このような骨折は不安定骨折と判断される場合があります。
ただし、粉砕骨折であれば必ず手術になるわけではありません。骨片のずれ、関節面への影響、整復後の安定性、骨の状態、年齢、日常生活で求められる手の機能などを総合して治療方法を決めます。骨がずれたままの場合や、関節内にずれが残る場合には、プレートやスクリューを使った手術が選択されることがあります。
正確な画像検査をもとに固定・整復・手術の適応を判断します
橈骨遠位端骨折の治療では、骨折の名称だけで判断するのではなく、実際の画像から転位の方向と程度・関節面の状態・粉砕の有無・骨折の安定性を確認します。
骨のずれがほとんどなく、固定によって適切な位置を保てる場合は、ギプスや装具による保存治療を検討します。骨片がずれている場合は、骨を本来の位置へ戻す整復を行い、その位置を固定できるか確認します。
整復しても骨片が再びずれる場合や、関節面の一部がずれたまま残る場合は、手術が必要になることがあります。治療後は、骨折の安定性に合わせて手や指、手首のリハビリテーションを進めます。
高月整形外科病院 整形外科で確認する主なポイント
・骨片が手の甲側と手のひら側のどちらへずれているか
・骨のずれや角度変形がどの程度あるか
・骨折線が手関節の関節面まで達しているか
・関節面に段差や隙間が生じているか
・骨が複数の骨片に分かれているか
・尺骨側にも骨折や損傷がないか
・骨を整復したあと、その位置を維持できるか
・神経や血流への影響がないか
・レントゲン検査だけで十分に評価できるか
・CT検査による詳細な評価が必要か
・ギプス固定、装具、手術のどの方法が適しているか
・治療後に必要となるリハビリテーションの内容
高月整形外科病院 整形外科では、骨折を治癒させることだけでなく、手首の可動域、握力、物をつまむ・ひねる・支えるといった機能の回復を重視して治療方針を検討します。
昭島周辺で、転倒後に手首が変形している、強い痛みや腫れがある、手や指に力が入らないといった症状がある場合は、骨折のタイプを外見だけで判断することはできません。骨のずれや関節面への影響によって治療方法が異なるため、早めに高月整形外科病院 整形外科へ相談し、画像検査を受けることが大切です。

橈骨遠位端骨折で物を握れなくなる理由
橈骨遠位端骨折では、手首の強い痛みや腫れだけでなく、手や指に力が入らず、物を握れなくなることがあります。
握る動作は、指の筋肉だけで行われているわけではありません。指を曲げる筋肉の多くは前腕にあり、その腱が手首を通って指先までつながっています。さらに、指先で十分な力を発揮するには、土台となる手首を安定した位置に保つ必要があります。
橈骨遠位端骨折によって手首に痛み、腫れ、骨片のずれが生じると、手首を安定させにくくなります。また、指に力を入れた際に骨折部へ負荷が伝わるため、身体が無意識に力を抑えることがあります。その結果、コップを持つ、ペットボトルを握る、ドアノブを回すといった動作が難しくなります。橈骨遠位端骨折では、手首の痛みや腫れに伴って、手首の運動や握る動作が困難になることがあります。
痛み・腫れ・手首の不安定性が握力へ影響します
・痛みによって力を入れられない
指を握り込むと、前腕の筋肉と腱が働き、その力が手首へ伝わります。骨折部へ痛みが響くため、強く握ることが難しくなります。
・腫れによって指を動かしにくくなる
骨折部周囲の出血や炎症によって手首から手の甲、指まで腫れると、指の曲げ伸ばしそのものがしにくくなります。
・手首を安定させられない
握る、つまむ、持ち上げる動作では、手首を適切な角度に保つ必要があります。骨折によって手首が不安定になると、指の力を物へ効率よく伝えられません。
・骨片のずれが手指の動きへ影響する
転位が大きい場合は、手首を通る腱や神経の位置関係にも影響することがあります。指が動かしにくい場合は、痛みや腫れだけでなく、腱や神経への影響も確認します。
・前腕を回す動作が制限される
ペットボトルのふたを開ける、鍵を回す、タオルを絞る動作では、橈骨と尺骨が連動して前腕を回します。橈骨遠位端骨折があると、この回旋動作でも強い痛みが生じることがあります。
手や指を動かせる場合でも、軽いコップを持てない、握ると手首へ強く響く、急に握力が低下したといった症状があれば、骨折による機能低下を疑う必要があります。
指のしびれ・感覚低下は正中神経の圧迫で起こることがあります
橈骨遠位端骨折では、手首の痛みや腫れに加えて、親指、人差し指、中指、薬指の一部にしびれや感覚の鈍さが現れることがあります。
手首の手のひら側には、正中神経が通っています。正中神経は、親指から薬指側にかけての感覚や、親指を含む一部の手指の運動に関係する神経です。
骨折した骨片が手のひら側へずれたり、骨折後の腫れが強くなったりすると、正中神経が圧迫されることがあります。その結果、指先のしびれ、触った感覚の低下、物をつまみにくいといった症状が生じます。日本整形外科学会も、橈骨遠位端骨折では折れた骨や腫れによって正中神経が圧迫され、親指から薬指にかけて感覚障害が起こる場合があると説明しています。
しびれの範囲と変化の速さを確認します
・親指から薬指にかけてしびれる
正中神経の圧迫が疑われる症状です。特に親指、人差し指、中指を中心に、ピリピリする、触った感覚が弱いといった変化が現れることがあります。
・指先の感覚が反対側と異なる
左右の同じ指を軽く触れ、感覚に違いがないか確認します。感覚が明らかに鈍い場合は、神経への影響を評価する必要があります。
・親指と人差し指でつまみにくい
痛みや腫れによる場合もありますが、神経や腱への影響がないか確認が必要です。
・しびれが時間とともに強くなる
受傷直後よりもしびれの範囲が広がる、感覚がさらに鈍くなる場合は、腫れによる神経圧迫が進んでいる可能性があります。
・固定後にしびれが悪化した
シーネやギプスで固定したあとに腫れが増すと、固定が相対的にきつくなり、神経や血流へ影響する場合があります。指のしびれ、冷たさ、色の変化が現れたときは、速やかに医療機関へ連絡する必要があります。
しびれを確認するために、手首を繰り返し曲げる、骨折部を強く押す、指を無理に動かすといった行為は避けてください。骨片のずれや腫れを悪化させる可能性があります。
指先の白さ・青紫色・冷たさは血流障害の可能性があります
橈骨遠位端骨折では、強い腫れ、骨片のずれ、周囲組織の損傷によって、手や指へ血液を送る血管が圧迫または損傷されることがあります。
血流が低下すると、指先が白っぽくなる、青紫色になる、反対側より冷たく感じるといった変化が現れる可能性があります。骨折などの強い外傷では、血管損傷によって手の血流が悪くなったり、神経損傷によって感覚や指の動きが低下したりすることがあります。
これらは一般的な痛みや腫れだけの場合よりも緊急性が高い症状です。自宅で長時間様子を見たり、変形した手首を自分で戻そうとしたりせず、速やかに医療機関で評価を受ける必要があります。
神経・血流への影響を疑う緊急性の高いサイン
・指先が白っぽい、または青紫色になっている
血流が十分に届いていない可能性があります。反対側の手と色を比較してください。
・指先が異常に冷たい
気温による冷えではなく、受傷した側だけが明らかに冷たい場合は注意が必要です。
・指先の感覚が著しく鈍い、または感じない
強い神経圧迫や神経損傷が疑われます。
・指をまったく動かせない
痛みや腫れによる場合もありますが、神経、腱、血流への影響を含めた早急な評価が必要です。
・しびれや腫れが急速に悪化している
骨折後の出血や炎症によって、手首周囲の圧力が高まっている可能性があります。
・手首に明らかな変形がある
骨片の転位が大きく、神経や血管へ影響している可能性があります。
・骨折部付近に傷や出血がある
骨折部が皮膚の傷を通じて外部とつながる開放骨折の可能性があり、感染予防を含む早急な処置が必要です。
明らかな変形やしびれがある場合でも、状態を確かめるために手首を強く曲げる、引っ張る、押し込むといった行為は避けてください。タオルや板状の物などを用いて、痛みの少ない位置で手首を支え、安静を保ちます。
高月整形外科病院 整形外科では、橈骨遠位端骨折について、骨折の位置や骨片のずれだけでなく、手や指の握力、感覚、運動機能、指先の血流を総合的に確認します。
昭島周辺で、転倒後に手や指へ力が入らない、親指から薬指にかけてしびれる、指先が白い・青紫色・冷たいといった症状がある場合は、神経や血流への影響も考えられます。骨折部を無理に動かさず、早めに高月整形外科病院 整形外科へご相談ください。

捻挫と決めつけず、診察で骨折や神経・血流への影響を確認します
転倒して手をついたあとも手首を動かせると、「骨折ではなく捻挫だろう」と考えることがあります。しかし、動かせるから骨折していないとは限りません。骨片のずれが少ない骨折や骨のひびでは、明らかな変形がなく、手首をある程度動かせる場合があります。
医学的な「捻挫」は、骨折や脱臼を除外したうえで診断される関節周囲の軟部組織損傷です。そのため、転倒後に手首の痛みや腫れが続いている段階で、自己判断により捻挫と決めつけることはできません。診察と画像検査を行い、骨折や脱臼がないことを確認する必要があります。
特に、橈骨遠位端骨折では、骨片のずれが少なくても、手首の親指側を押したときの痛み、握ったときの痛み、手首を回したときの痛みなどが続くことがあります。また、骨折による腫れや骨片のずれによって正中神経が圧迫されると、親指から薬指にかけてしびれや感覚低下が現れる場合があります。
STEP 01|受傷状況・圧痛・手指の感覚と血流を評価します
診察では、現在痛む場所だけでなく、どのような状況で手首を傷めたのかを詳しく確認します。転倒時に手のひらをついたのか、手の甲をついたのか、どの方向へ倒れたのかによって、骨へ加わった力と考えられる骨折の形が異なるためです。
主な確認項目は次のとおりです。
・受傷した状況
歩行中の転倒、自転車やバイクからの転倒、スポーツ中の転倒、階段からの転落、交通事故など、手首へ力が加わった状況を確認します。
・手首の腫れと内出血
腫れが手首だけにあるのか、手の甲や指まで広がっているのかを確認します。短時間で腫れが強くなっている場合は、骨折部周囲の出血や炎症が進んでいる可能性があります。
・手首の変形
反対側と比較し、手の甲側または手のひら側へ曲がっていないか、骨の並びに段差がないかを確認します。
・圧痛点の特定
橈骨遠位端、尺骨側、舟状骨周辺などを慎重に触診し、どの骨や関節に強い痛みがあるかを確認します。
・手や指の運動機能
指を曲げる、伸ばす、親指と人差し指を合わせるなどの動きを確認します。痛みによる制限だけでなく、腱や神経への影響がないかも評価します。
・指の感覚
親指、人差し指、中指、薬指、小指の感覚を左右で比較し、しびれや感覚低下がないかを確認します。
・指先の血流
指先の色、温度、爪を押したあとの血色の戻り方などから、血管の圧迫や損傷が疑われないかを評価します。
骨が折れるほどの力が加わった場合は、骨だけでなく、皮膚、血管、神経、関節などを同時に損傷することがあります。指先が白い、青紫色、冷たい、感覚がない、指を動かせないといった症状は、早急な評価が必要なサインです。
レントゲン・CT検査で骨折の有無と形を詳しく評価します
診察で骨折が疑われる場合は、まずレントゲン検査を行います。レントゲン検査では、橈骨遠位端に骨折線があるか、骨片がどの方向へずれているか、手首の角度や骨の長さが変化していないかを確認します。
橈骨遠位端骨折では、骨片が手の甲側へずれるコーレス骨折、手のひら側へずれるスミス骨折、骨折線が関節面へ及ぶ関節内骨折、骨が複数に分かれる粉砕骨折などがあります。骨折の形やずれの程度は、ギプス固定で治療できるか、整復や手術を検討するかを判断する重要な材料です。
ただし、すべての手首の骨折が通常のレントゲン検査で明瞭に写るとは限りません。特に舟状骨骨折は、一般的な方向から撮影したレントゲンでは骨折線が見えにくく、初期に見逃されることがあります。痛みの位置や受傷状況から骨折が疑われる場合は、追加の撮影やCT、MRIなどを検討します。
STEP 02|レントゲン検査、STEP 03|必要に応じてCT検査を行います
STEP 02:レントゲン検査
レントゲン検査では、主に次の項目を確認します。
・骨折線の有無
橈骨遠位端に骨の連続性が途切れている部分や、ひびがないかを確認します。
・骨片のずれと方向
骨片が手の甲側または手のひら側へどの程度ずれているかを確認します。
・角度変形
橈骨の傾きが本来の状態から変化していないかを測定します。
・橈骨の長さ
骨折によって橈骨が短くなり、尺骨との位置関係が変化していないかを確認します。
・関節面への広がり
骨折線が手関節の関節面まで達していないか、関節面にずれがないかを確認します。
・合併骨折
尺骨の先端や手根骨など、周囲の骨にも骨折がないかを確認します。
STEP 03:CT検査
レントゲンだけでは骨折の全体像を把握しにくい場合には、CT検査を追加することがあります。CTでは骨を断面や立体的な画像として確認できるため、複雑な骨折の評価や手術計画に役立ちます。
・骨が複数の骨片に分かれていないか
・関節内にどのような骨折線が走っているか
・関節面に段差や隙間があるか
・骨片がどの方向へ移動しているか
・手術でどの骨片を整復・固定する必要があるか
特に関節内骨折や粉砕骨折では、関節面の細かな段差や骨片の位置を把握するため、CTによる詳細な評価が検討されます。検査結果をもとに、整復、ギプス固定、プレート固定などの治療方針を判断します。
骨折が確認できない場合も靱帯・軟骨・脱臼などを検討します
レントゲン検査で明らかな橈骨遠位端骨折が確認できなくても、手首に強い痛みや腫れが続く場合は、そこで「異常なし」と判断できるとは限りません。
捻挫とは、レントゲンで確認できる骨折や脱臼を除外したあとに考える、靱帯、腱、関節軟骨などの損傷です。痛みが続く場合は、骨以外の組織が傷ついていないか、初期のレントゲンでは分かりにくい骨折がないかを確認します。
痛む位置と動作から考える主な手首の外傷
・舟状骨骨折
手首にある手根骨のうち、親指側に位置する舟状骨の骨折です。転倒して反らした手首をついた際に起こりやすく、親指の付け根付近に痛みが現れます。
舟状骨骨折は通常のレントゲン検査で見えにくく、初期には痛みが一時的に軽くなる場合もあります。放置すると骨がつかない偽関節や手関節の変形につながる可能性があるため、痛みが続く場合は追加検査を検討します。
・手関節靱帯損傷
手首を構成する骨同士をつなぐ靱帯が、転倒時の強いねじれや反り返りによって損傷した状態です。骨折がなくても、手首を動かしたときの痛み、不安定感、引っかかり、クリック音などが現れることがあります。
・TFCC損傷
TFCC(三角線維軟骨複合体)は、手首の小指側を安定させる靱帯・軟骨組織の複合体です。転倒や手首のひねりによって損傷すると、小指側の痛みが現れやすくなります。
ドアノブを回す、ペットボトルのふたを開ける、手のひらを上または下へ向けるといった動作で痛む場合は、TFCC損傷を含む小指側の組織損傷を検討します。
・脱臼・亜脱臼
手首を構成する骨の位置関係が完全に外れた状態が脱臼、一部がずれた状態が亜脱臼です。強い痛み、変形、著しい可動域制限が現れ、骨折を伴う場合もあります。
・強い打撲
骨折や脱臼がなくても、皮下組織、筋肉、腱、骨膜などが損傷すると、痛み、腫れ、内出血が生じます。ただし、受傷直後の症状だけで骨折と打撲を区別することは困難です。
高月整形外科病院 整形外科では、転倒時の状況、痛む位置、腫れや変形、手や指の感覚と血流を確認し、レントゲンや必要に応じたCTなどの画像検査から、橈骨遠位端骨折と周囲の外傷を評価します。
昭島周辺で、転倒後も手首の痛みが続く、手首を動かせるものの握ると痛む、親指側または小指側に限局した痛みがあるといった場合は、捻挫と自己判断しないことが重要です。痛みが続くときは、早めに高月整形外科病院 整形外科へご相談ください。

治療は「骨のずれ」と「安定性」を中心に選びます
橈骨遠位端骨折の治療では、骨折しているという事実だけでなく、骨片がどの程度ずれているか、その位置を固定によって保てるかを確認することが重要です。
骨片のずれが少なく、ギプスやシーネで適切な位置を維持できる場合は、手術を行わずに骨癒合を待つ保存療法を検討します。一方、骨片が大きくずれている場合は、まず骨を元の位置へ戻す整復が必要です。整復後も骨片が再びずれる不安定な骨折や、関節面の段差を十分に戻せない骨折では、手術が選択肢となります。日本整形外科学会でも、整復後の位置を維持できる場合はギプス固定を行い、再びずれる場合や関節面の骨片を整復できない場合には手術が必要になると説明しています。
ただし、治療方針はレントゲン画像だけで機械的に決めるものではありません。患者さんの年齢、骨の強さ、利き手、仕事内容、生活の中で必要とする手首の機能なども含めて検討します。
年齢・骨質・関節面・生活上必要な機能を総合的に判断します
治療方針を決める際には、主に次の項目を確認します。
・骨のずれ具合(転位)
骨片が手の甲側または手のひら側へどの程度ずれているか、橈骨の角度や長さが変化していないかを確認します。
・骨の砕け方(粉砕)
骨が複数の小さな骨片に分かれている場合は、整復しても適切な位置を保ちにくいことがあります。骨粗鬆症によって骨が弱くなっている場合も、再転位に注意が必要です。
・関節面の滑らかさ
骨折線が手関節の関節面まで達している場合は、段差や隙間がどの程度あるかを確認します。関節面の不整が残ると、治癒後の痛みや動かしにくさにつながる可能性があります。
・骨折の安定性
骨を整復したあと、牽引する力を緩めても位置を維持できるか、固定中に再びずれやすい形ではないかを評価します。
・年齢と骨質
骨粗鬆症などによって骨が弱くなっている場合は、軽い転倒でも粉砕を伴う骨折が起こることがあります。橈骨遠位端骨折は骨粗鬆症に関連する代表的な骨折であり、必要に応じて骨の状態も評価します。
・仕事や生活で必要とする手の機能
利き手かどうか、仕事で手を強く使うか、家事や介護などでどの程度の握力や可動域が必要かも治療選択に関係します。
高月整形外科病院 整形外科では、画像上の骨折形態だけでなく、手や指の感覚、握る・つまむ・ひねる動作への影響、患者さんの生活背景を含めて治療方法を検討します。
ずれが少ない骨折では固定し、ずれがある場合は整復を検討します
橈骨遠位端骨折のうち、骨片のずれが少なく、骨折部が比較的安定している場合は、ギプスやシーネによる保存療法を検討します。
固定によって骨折部を動かないように保ち、骨がつくのを待ちます。ただし、治療開始時にずれが少なくても、腫れが引いたあとや固定期間中に骨片が動くことがあります。そのため、固定したら終わりではなく、定期的な診察とレントゲン検査によって経過を確認することが重要です。
骨や関節を安定させる固定療法については、【固定療法とは?】骨・関節の自然治癒をサポートする基本の治療法|高月整形外科病院が解説もあわせてご覧ください。
骨片がずれている場合は、麻酔などで痛みを抑えたうえで、手で骨片を元の位置へ戻す徒手整復を行うことがあります。整復後の位置を維持できれば、ギプスやシーネで固定します。
保存療法と徒手整復後の固定では再転位の有無を確認します
ずれが少なく安定している場合:保存療法
・ギプスやシーネで固定する
手首を骨折部に負担のかかりにくい位置で固定し、骨癒合を待ちます。
・定期的にレントゲン検査を行う
骨折線の変化だけでなく、骨片が手の甲側や手のひら側へずれていないか、橈骨の角度や長さが保たれているかを確認します。
・固定部以外の関節を適切に動かす
骨折部の安定性に配慮しながら、固定されていない指、肘、肩などを動かし、腫れや関節の硬さを防ぎます。ギプスから出ている指は、医師から動かしてよいと指示されている範囲で動かすことが重要です。
・固定中のしびれや色の変化に注意する
受傷後に腫れが増すと、ギプスや包帯が相対的にきつくなる場合があります。指のしびれ、強い痛み、冷たさ、白色や青紫色への変化があれば、速やかに医療機関へ連絡します。
骨がずれている場合:徒手整復+固定療法
・痛みを抑えて骨片を戻す
麻酔を使用したうえで、手を指先方向へ引くなどして、ずれた骨片を可能な範囲で元の位置へ戻します。
・整復後にレントゲンで位置を確認する
骨の角度、長さ、関節面の状態などを確認し、許容できる位置へ戻っているかを評価します。
・戻した位置で安定していれば固定する
整復後に骨片が安定していれば、ギプスやシーネを使用して位置を保ちます。
・再転位を継続して確認する
骨粗鬆症、粉砕骨折、関節内骨折などでは、整復直後の位置が良好でも、固定中に再びずれる場合があります。定期的なレントゲン検査が必要です。
固定期間や固定する範囲は、骨折の形、年齢、骨癒合の経過などによって異なります。自己判断で固定を外したり、手首を強く動かしたりしないことが大切です。
不安定・複雑な骨折では手術療法を検討します
徒手整復を行っても骨片が再びずれる場合や、骨折線が関節面まで及び段差が残る場合、骨が複数の骨片に分かれている場合は、手術療法を検討します。
手術の目的は、骨片を可能な範囲で適切な位置へ戻し、プレートやスクリューなどで安定させることです。骨折部を安定して固定できれば、骨片の再転位を防ぎやすくなり、骨折の状態に応じて固定していない関節や手首の運動を段階的に開始できます。
代表的な方法には、鋼線を使用する固定、創外固定、プレートとスクリューによる固定などがあります。現在は、プレートとスクリューを組み合わせたロッキングプレート固定が用いられることがありますが、適切な方法は骨折の形によって異なります。
手術適応と神経・血流障害の緊急性を判断します
手術を検討する主な状態には、次のようなものがあります。
・整復しても骨片が再びずれる
ギプス固定だけでは骨の位置を維持できない不安定骨折が考えられます。
・関節面に段差や隙間が残る
関節面の不整によって手首の動きへ影響する可能性があるため、より正確な整復を検討します。
・骨が複数の骨片に分かれている
粉砕が強い場合は、骨片を適切な位置に保つため、プレートなどによる固定が必要になることがあります。
・橈骨の角度や長さを保てない
骨折によって橈骨が短くなったり、不自然な角度が残ったりすると、手首や前腕の動きに影響する可能性があります。
・生活に必要な手の機能を考慮する必要がある
利き手、仕事内容、日常生活で必要となる握力や可動域などを踏まえて治療方法を選択します。
・神経が圧迫されている
親指から薬指にかけてのしびれ、感覚低下、親指を動かしにくいなどの症状がある場合は、正中神経への影響を確認します。
・血流障害が疑われる
指先が白い、青紫色、異常に冷たい、爪を押したあとの血色が戻りにくい場合は、血管の圧迫や損傷が疑われます。
・皮膚の傷と骨折部がつながっている
開放骨折では感染の危険があるため、洗浄や外科的処置を含む早急な対応が必要です。
特に、しびれが急速に悪化している、指先の色や温度が明らかに変化している、指をまったく動かせない場合は、通常の経過観察ではなく、神経・血流障害を含めた緊急判断が必要です。
手術後も、すぐに無制限で手首を使えるわけではありません。骨折の安定性、創部の状態、画像所見を確認しながら、指の曲げ伸ばし、手首の可動域訓練、握力の回復などを段階的に進めます。
高月整形外科病院 整形外科では、骨片のずれ、粉砕の程度、関節面の状態、神経・血流への影響を確認し、保存療法、徒手整復後の固定、手術療法のなかから治療方針を検討します。
昭島周辺で、転倒後に手首が強く痛む、明らかな変形がある、物を握れない、指がしびれる、指先が白い・青紫色・冷たいといった症状がある場合は、骨折部を無理に動かさず、早めに高月整形外科病院 整形外科へご相談ください。

治療後は骨癒合だけでなく手指の機能回復を目指します
橈骨遠位端骨折の治療では、折れた骨が適切な位置でつくことに加えて、手首や指の関節が硬くなるのを防ぎ、握る・つまむ・ひねる・支えるといった日常動作を取り戻すことが重要です。
手首は、前腕で生み出された力を手や指へ伝える土台です。骨折部が治癒しても、固定によって手首や指の動きが制限された状態が長く続くと、関節周囲の組織が硬くなり、可動域や握力が十分に戻らないことがあります。
一方、骨折部がまだ安定していない時期に、自己判断で手首を強く動かしたり、重い物を持ったりすると、骨片が再びずれる可能性があります。リハビリテーションは、骨折の形、固定方法、骨癒合の進み方、痛みや腫れの程度に合わせて段階的に進める必要があります。手の外傷後は、医師の指示に沿ってリハビリテーションを行うことが重要です。
リハビリテーションで回復を目指す主な動作
・指を曲げる・伸ばす
固定中も、医師から動かしてよいと指示された指については、無理のない範囲で曲げ伸ばしを行います。指を動かさない状態が続くと、むくみや関節の硬さが生じやすくなります。
・親指とほかの指を合わせる
ボタンを留める、硬貨をつまむ、箸やペンを持つなどの細かな動作には、親指とほかの指の協調運動が必要です。
・物を握る
コップ、ペットボトル、ドアノブなどを握る動作では、指の力だけでなく、手首の安定性も必要です。握力は、骨折部の安定性を確認しながら段階的に回復を目指します。
・手首を曲げる・反らす
固定を外した直後は、手首が硬くなり、動かすと痛みを感じることがあります。骨癒合の状態に応じて、可動域訓練を開始します。
・手のひらを上・下へ向ける
前腕を回して手のひらを上向き、下向きにする動作は、食事、着替え、ドアノブを回すなどの生活動作に関係します。
・物を支える・持ち上げる
皿や鍋を持つ、買い物袋を持つ、椅子から手をついて立ち上がるなどの動作は、骨折部の安定性や筋力の回復を確認してから段階的に再開します。
リハビリテーションのゴールは、画像上で骨がついたことだけではありません。痛みを抑えながら、手首の可動域、握力、細かな手指動作を回復し、日常生活で手を使える状態へ近づけることが重要です。
骨折の安定性に合わせて運動を段階的に進めます
橈骨遠位端骨折後の運動開始時期は、保存療法と手術療法で異なり、同じ治療方法であっても骨折の安定性によって変わります。
ギプスやシーネで固定している期間は、骨折部を守りながら、固定されていない指、肘、肩などを適切に動かします。固定を外した後は、画像検査で骨癒合の経過を確認しながら、手首の曲げ伸ばしや前腕の回旋運動を進めます。
手術でプレート固定を行った場合は、骨片を安定して固定できることで、骨折の状態に応じて比較的早い段階から手首の運動を開始できることがあります。ただし、手術後であっても無制限に手首を使えるわけではなく、骨折部と創部の状態を確認しながら進めます。
固定中から日常生活へ戻るまでの一般的な流れ
・固定中は指・肘・肩の動きを保つ
固定されていない部分を動かし、手や指のむくみ、関節の硬さ、筋力低下を防ぎます。ただし、骨折部へ力が加わる運動は避けます。
・手を心臓より高い位置に保つ
受傷直後や手術後に腫れが強い場合は、手を下げたままにせず、可能な範囲で高い位置に保つことで、むくみの軽減を図ります。
・固定後は手首の可動域訓練を始める
骨折部の安定性が確認された段階で、手首を曲げる、反らす、前腕を回す訓練を開始します。最初から大きく動かすのではなく、痛みや腫れを確認しながら範囲を広げます。
・軽い日常動作から再開する
食事、着替え、洗顔、軽い物を持つといった動作から始め、手首への負担が大きい作業へ段階的に移行します。
・握力訓練を進める
骨癒合が進み、医師が許可した段階で、やわらかい物を握る運動などから始めます。急に強い力を加えることは避けます。
・仕事やスポーツへの復帰を判断する
重い物を持つ仕事、手首を反復して使う作業、転倒リスクのあるスポーツなどは、骨癒合、可動域、筋力、痛みの状態を確認したうえで復帰時期を決めます。
運動後に痛みや腫れが強くなる場合は、負荷が大きすぎる可能性があります。痛みを我慢して強く曲げる、他方の手で無理に押し込む、許可なく重い物を持つといった行為は避けてください。
また、固定中または治療後に次のような症状が出た場合は、早めに医療機関へ相談する必要があります。
・指のしびれが強くなった
・指先が白い、青紫色、冷たい
・指や手の腫れが急に強くなった
・痛みが時間とともに悪化している
・固定がきつく感じられる
・指を動かしにくくなった
・手術創から出血や浸出液が出ている
高月整形外科病院 整形外科では、骨折部の画像所見だけでなく、手首や指の可動域、握力、痛み、腫れ、日常生活動作への影響を確認し、回復段階に応じた対応を検討します。
軽い転倒による骨折では骨粗鬆症の評価も重要です
立った高さから転倒しただけで橈骨遠位端骨折が起きた場合は、転倒時の衝撃だけでなく、骨の強さが低下していないかを確認することが大切です。
骨粗鬆症は、骨量や骨質の低下によって骨の強度が弱くなり、わずかな外力でも骨折しやすくなる病気です。手首の橈骨遠位端は、背骨や大腿骨近位部などとともに、骨粗鬆症を背景とした骨折が起こりやすい部位です。日本整形外傷学会では、橈骨遠位端骨折を骨粗鬆症に関連する代表的な骨折の一つとして挙げ、受傷後の骨粗鬆症検査を勧めています。
骨粗鬆症による骨折を一度起こした方は、その原因となる骨の弱さへ対応しなければ、別の部位で骨折を繰り返す可能性があります。骨折後に骨粗鬆症を評価し、必要な治療や転倒予防へつなげることは、骨折の連鎖を防ぐための二次骨折予防として重要です。
骨粗鬆症評価と再骨折予防で確認すること
・骨密度検査
現在の骨密度を測定し、同年代や若年成人の基準値と比較して骨の状態を評価します。
・過去の骨折歴
背骨、股関節、手首、肩など、これまでに軽い転倒や小さな衝撃で骨折したことがないかを確認します。
・年齢・性別・閉経歴
加齢や閉経後の女性ホルモン低下は、骨量減少に関係します。
・服用している薬と基礎疾患
ステロイド薬の長期使用や、骨の代謝に影響する病気がないかを確認します。
・食事と栄養状態
カルシウム、ビタミンD、たんぱく質などを含め、骨と筋肉を維持するために必要な栄養を適切に摂れているかを確認します。
・運動習慣と筋力
骨の状態だけでなく、下肢筋力やバランス能力の低下がないかを確認します。転倒しにくい身体づくりも再骨折予防に関係します。
・住環境と転倒リスク
段差、滑りやすい床、暗い廊下、固定されていないマットなど、転倒につながる環境を見直します。
骨粗鬆症が疑われる場合は、骨密度や骨折リスクを評価したうえで、生活習慣の改善だけでなく、必要に応じて薬物治療を検討します。骨折後の治療を「手首が治ったら終わり」とせず、将来の背骨や股関節などの骨折を防ぐ視点が必要です。
昭島周辺で、立った高さからの転倒や比較的軽い衝撃によって手首を骨折した方は、橈骨遠位端骨折の治療とあわせて、骨粗鬆症の精密検査について高月整形外科病院 整形外科へご相談ください。骨折部の回復、手や指の機能回復、次の骨折を防ぐための評価を一連の治療として考えることが大切です。

転倒後の手首症状は、緊急性の高いサインから確認します
転倒して手をついたあとに手首が痛む場合は、痛みの強さだけでなく、手首の変形・手や指のしびれ・指先の色や温度・皮膚の傷を確認することが重要です。
橈骨遠位端骨折では、手首の強い痛みや急速な腫れに加えて、骨片のずれによる変形や、腫れによって神経が圧迫されることで手指のしびれが現れることがあります。骨折が重い場合は、手や指に力が入らず、反対側の手で支えなければならない状態になることもあります。
見た目に明らかな変形がなく、手首をある程度動かせる場合でも、骨折を否定することはできません。骨のひびや転位の少ない骨折では、捻挫や打撲のように見えることがあります。転倒後の痛みが数日たっても改善しない場合は、自己判断で様子を見続けず、画像検査による確認を検討します。骨のひびも医学的には骨折に含まれます。
すぐに受診したい症状と早めに相談したい症状
できるだけ速やかな受診をおすすめするサイン
・手首に明らかな変形がある
反対側と比べて手首が曲がっている、骨の並びに段差がある、関節が不自然な位置にある場合は、骨片の転位や脱臼を伴っている可能性があります。
・指先が白い・青紫色・異常に冷たい
骨折後の強い腫れや血管損傷によって、手や指への血流が低下している可能性があります。受傷した側だけ明らかに色や温度が異なる場合は、早急な評価が必要です。
・しびれや感覚の鈍さがある
折れた骨や腫れによって神経が圧迫され、指にしびれが生じることがあります。しびれの範囲が広がる、触った感覚が分かりにくくなる場合は注意が必要です。
・指をまったく動かせない
強い痛みや腫れだけでなく、腱、神経、血流への影響が隠れている可能性があります。無理に動かして確認しないでください。
・骨折部付近の皮膚に傷や出血がある
皮膚の傷が骨折部まで達している開放骨折では、外部から細菌が侵入する危険があるため、治療を急ぐ必要があります。
早めに整形外科へ相談したい症状
・転倒直後から手首が強く痛む
・短時間で手首や手の甲が腫れてきた
・青紫色の内出血が広がっている
・手首を曲げる、反らす、回すと強く痛む
・手や指に力が入らず、コップも持てない
・物を握ると骨の部分へ痛みが響く
・手首の親指側を押すと強く痛む
・捻挫だと思っていた痛みが数日たっても改善しない
昭島周辺でこれらの症状がある場合は、「動かせるから骨折ではない」と判断せず、早めに整形外科で骨折の有無を確認することが大切です。
受診前は転倒時の状況と症状の変化を整理します
橈骨遠位端骨折の診察では、現在の痛みや腫れだけでなく、どのように転倒したのか、手首へどの方向から力が加わったのかが重要な手がかりになります。
手のひらをついたのか、手の甲側をついたのかによって、骨片のずれる方向や考えられる骨折のタイプが異なります。また、転倒直後から変形していたのか、数時間かけて腫れやしびれが強くなったのかも、診察時に伝えたい情報です。
無理に手首を動かして痛みの程度を確かめたり、変形を元に戻そうとしたりすると、鋭い骨折端が神経や血管などを傷つけるおそれがあります。骨折が疑われる場合は、現在の位置を保ちながら患部を安静にします。
受診時に伝えたい項目と応急処置のポイント
受診前に整理しておきたいこと
・いつ受傷したか
転倒した日時と、受傷からどの程度時間が経過しているかを整理します。
・どのように転倒したか
歩行中のつまずき、階段からの転落、自転車やスポーツ中の転倒など、受傷時の状況を伝えます。
・どちらの手をついたか
右手か左手か、手のひら側と手の甲側のどちらを地面についたかを確認します。
・痛む位置
手首の親指側、小指側、中央部など、特に強く痛む場所を確認します。
・腫れや内出血の変化
受傷直後より腫れが広がっているか、手の甲や指まで腫れているか、内出血が現れたかを整理します。
・手や指の機能
指を曲げ伸ばしできるか、物をつまめるか、コップを持てるかを確認します。ただし、痛みを我慢して無理に動かす必要はありません。
・しびれと指先の状態
しびれる指、感覚の左右差、指先の色、冷たさなどを確認します。
受診までの一般的な応急処置
・痛みの少ない位置で手首を支える
タオル、厚紙、板状の物などを利用し、骨折部が動かないよう無理のない位置で固定します。
・変形を自分で戻そうとしない
曲がって見える場合でも、手首を引っ張ったり、押し込んだりしないでください。変形した状態のまま安静を保ちます。
・可能であれば手を高く保つ
患部を心臓より高い位置に保つことで、腫れを抑える助けになる場合があります。
・指輪や腕時計を早めに外す
手や指の腫れが強くなると外せなくなる場合があります。無理なく外せる段階で外しておきます。
・皮膚に傷がある場合は清潔な布で保護する
骨や深い組織が見えていても触れたり押し戻したりせず、清潔なガーゼや布で覆って受診します。
応急処置は骨折を治すためのものではなく、受診まで骨片の動きや腫れの悪化を抑えるために行うものです。
昭島周辺で転倒後の手首症状がある方は高月整形外科病院 整形外科へご相談ください
転倒後の手首の痛みでは、橈骨遠位端骨折のほか、舟状骨骨折、手関節靱帯損傷、TFCC損傷、脱臼・亜脱臼、強い打撲など、複数の外傷を鑑別する必要があります。
骨折と打撲、脱臼では痛みや腫れなどの症状が似ることがあるため、診断を明確にするには、診察とレントゲン検査が必要です。
骨折・捻挫・打撲など外傷の見分け方については、外傷とは?骨折・捻挫・打撲の見分け方と受診の目安を整形外科が解説(高月整形外科病院)もあわせてご覧ください。
高月整形外科病院 整形外科では、骨や関節の状態に加え、手や指のしびれ、感覚、運動機能、指先の血流なども確認し、必要な検査と治療方法を検討します。高月整形外科病院では、整形外科を診療科として設け、骨や関節の治療を行っています。
診察で確認する主な項目
・転倒や衝突などの受傷機転
・手首の痛み、腫れ、内出血
・橈骨遠位端や舟状骨周辺の圧痛
・手首の変形と骨片のずれ
・皮膚の傷や出血の有無
・手や指のしびれ、感覚低下
・指を曲げる、伸ばす動作
・指先の色、温度、血流
・レントゲン検査による骨折線の確認
・骨片の転位、角度、橈骨の長さ
・関節面まで骨折が及んでいるか
・CT検査による詳細評価の必要性
・保存療法、徒手整復、手術の適応
・治療後の可動域と握力回復
・骨粗鬆症評価の必要性
昭島周辺で、転倒後に手首が強く痛む、急に腫れた、物を握れない、指がしびれる、指先が冷たいといった症状がある場合は、捻挫と自己判断せず、早めに高月整形外科病院 整形外科へご相談ください。
特に、明らかな変形・指先の色や温度の変化・感覚低下・皮膚の傷がある場合は、神経・血流障害や開放骨折の可能性も考えられます。変形を自分で戻そうとせず、手首を無理のない位置で支えて受診することが大切です。