東京都八王子市の高月整形外科病院(医療法人社団八九十会)

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乳房再建

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乳房再建

乳房再建を考えている方へ

乳がんの全摘手術後、乳房を再建する際に自然なふくらみを作る「しずく形」の人工乳房が、2014年1月8日より保険適用となりました。

乳房は女性が女性らしくあるための、女性だけが持つとくべつな臓器です。
がん治療を受けたあとも患者様が 「私らしく生活をしたい」、「自分らしさを取り戻したい」。
そう思われたときに、失われた乳房をとりもどす治療が「乳房再建手術」です。
乳がんは、今や女性の16人に1人以上の割合で発生しており、なおも増加傾向にあります。 これは日本人の生活の欧米化にも原因があるといわれ、6人に1人といわれる米国に近づきつつあります。 しかも日本人の特徴として低年齢化が進んでおり、20代での発生も少なくありません。
しかし乳がん手術により乳房を温存して治療できる割合は60%程度にとどまっており、未だ多くの患者様が治療により乳房を失ってしまいます。また相対的に乳房の大きくない東洋人の乳房では部分的な摘出でも変形が大きい。治療に伴う放射線照射の影響もみすごせるものではありません。
現在、日本人の乳房再建率は10%程度とされており、20〜40%とされる欧米と比較し医療先進国の仲間入りをしている状況とはとてもいえません。これには乳房を専門に扱う形成外科医が全国的に不足していることに加え、高額な医療費の負担からあきらめざるをえない状況であったことも事実です。

2014年月、乳房再建用の組織拡張器(ティッシュ・エキスパンダー)と一部の人工乳房(ブレスト・インプラント)の公的保険運用が厚生労働省より認められました。これにより、これまで100万円近い自費での高額な負担を必要とした治療が公的保険の検討が進み 乳房再建が身近に受けることができるようになると思われます。
乳房は誰一人として同じ形のものはなく、ただ単にふくらみがあればいいというものでもありません。きれいな乳房を再建するには美的センスに加え、相当の手術経験が必要なことも確かで経験の豊富な形成外科医との相談が必要です。
当院では日本屈指の治療経験をもつがん研有明病院形成外科部長澤泉雅之先生のご指導のもと、より高い治療を提供できるようこれからも邁進して参ります。
乳房再建の診察は 予約制となっておりますので、受診される前にお問い合わせください。

※当院は、日本乳房オンコプラスティックサージャリ―学会より、インプラントおよびエキスパンダー使用に対して実施施設認定を受けております。

乳房再建の方法

乳房再建を行うには、下記の二通りがあります。
一次再建:乳がん根治手術と同時に乳房再建を開始する方法
二次再建:乳がん治療の終了後に乳房再建を開始する方法

乳房再建の流れ

当院での治療は、二次再建が主体となります。
治療対象となる患者様は、(1)過去に乳がんの根治手術を受けられている方、(2)術後の補助療法(化学療法・放射線治療など)を終了された方となります。

乳房再建の流れ

二次再建の方法

組織拡張器(ティッシュ・エキスパンダー)を挿入したのち、人工乳房(ブレスト・インプラント)に置き換える方法(シリコン・インプラント法)と自分の組織を移植して再建する方法(皮弁術)の2種類があります。

A.シリコン・インプラント法

組織拡張器(ティッシュ・エキスパンダー)を挿入したのち人工乳房(ブレスト・インプラント)に置き換え乳房を再建する方法です。
【利点】身体の他部位を傷つけることなく再建を行え、皮弁法に比較して入院が短期間で済む。
【欠点】異物反応の可能性や術後生じる被膜拘縮予防のためマッサージを要する。

二次再建の方法

組織拡張器(ティッシュ・エキスパンダー)

組織拡張器(ティッシュ・エキスパンダー)

人工乳房(ブレスト・インプラント)

人工乳房(ブレスト・インプラント)

B.皮弁法

自分の組織を身体のある場所から 他の場所に移動することによって 乳房を再建する方法です。

広背筋皮弁による再建

背中にある筋肉(広背筋)とその周囲の皮膚・脂肪組織を利用した再建方法です。
【利点】安定した血行で保たれ、皮弁採取後の障害も少ない。
【欠点】腹直筋による再建に比較して組織量が少ない。

広背筋皮弁による再建

腹直筋皮弁による再建

腹部にある筋肉(腹直筋)を利用した再建方法です。
筋肉の上側をつけたまま皮膚の下を通して、筋肉および周囲の皮膚・脂肪組織を胸部に移植する 有茎皮弁法(A) と、腹直筋の栄養血管(下腹壁動静脈)を切り離して前胸部の血管(内胸動静脈)に顕微鏡下に新たに血管を吻合する(血行再建を要する) 遊離皮弁(B) の2種類があります。
【利点】広背筋皮弁に比較して組織量が多く十分な組織再建が出来る。
【欠点】片側の腹直筋を犠牲にしなくてはならない。
遊離皮弁は血管吻合を要するため、血行安定時期までベット上安静を要することも患者さまにとっては欠点になることかと思います。

腹直筋皮弁による再建

深下腹壁穿通枝皮弁による再建

腹直筋を犠牲にしないで栄養血管(下腹壁動静脈)を筋肉より外して、皮膚・脂肪組織を移植する遊離皮弁になります。
遊離腹直筋同様に前胸部の血管(内胸動静脈)に顕微鏡下に新たに血管を吻合する必要性があります。
【利点】腹直筋を犠牲にせず組織を移植することができ、身体的な損失を最小限に抑えることが出来る。
【欠点】筋肉より血管を処理する操作は複雑で、長時間の手術を要することや血行安定時期までベット上安静を要する。

深下腹壁穿通枝皮弁による再建

最後に

乳房再建は失った組織を取り戻すだけでなく、乳がん治療の一環と考えています。
当院での治療は再建が主であり、これまで治療を受けてきた機関との連携が必要となります。受診されるときに可能であれば、これまでの治療経過を主治医の先生より情報提供をしていただきご来院いただけるとスムーズな再建治療に移行することができます。
治療後時間が経っており フォローアップ期間も過ぎていて現在通院されていない方は、受診後当方より治療機関への情報提供をお願いさせていただくことがあります。
再建治療法については、インプラント法・皮弁法とそれぞれに利点・欠点があり、どちらがよいかを、患者さまの状態やご意見・ご希望を尊重しながら一緒に考え、よりよい治療法を目指していきたいと考えております。
高月整形外科病院電話:042-692-1115(代)
新橋八九十会クリニック電話:03-3434-1114

メディアでの紹介

名誉理事長 山口利仁の功績

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TEL 042-692-1115(代表)
FAX 042-692-1241

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